樋上公美子の絵を元に小川洋子がおとぎ話を書いた本。装丁が気に入ったから読んでみた。
絵はこの企画のために描かれたものじゃないらしくて、テーマがバラバラだった絵を『忘れられたおとぎ話』という設定で紹介してくって内容だった。
この設定が本当良かった。
飴屋さんの店舗奥、図書館があってそこに収納されてるのが『おとぎ話の忘れ物』
飴屋の跡継ぎだったお爺さんが、旅先の駅の忘れ物置き場で偶然見つけた、誰かが書いた『おとぎ話』
人の手で作られた確かな存在である、おとぎ話が消えそうだったというのが寂しい。何かもうそれ自体がおとぎ話でジンときた。
小川洋子の透明感ある文体におとぎ話って相性良くて綺麗だなとしみじみ思った。