「こっから」が好きだ。
きみときみの仲間たちを好きになったきっかけの曲。もともとラップや、言葉の詰め込まれたヒップホップの曲調が好きで、だけどこんなにもヒューマンをかんじる曲をうたうアイドルなんて、今まで見たことがなかった。衝撃だった。わたしの「アイドル」の定義を、「人を鼓舞して勇気づけ、生きる活力を与えてくれる、自分だけのヒーロー」にした存在だった。(だから雛鳥みたいに「Ordinaly Hero」がすきなんだとおもう)
彼らはたぶん、各々がどん底までたどりついて、でも支え合って這いあがった人たちだとおもう。だから、誰かを鼓舞する曲がこんなにも似合う。「アンセム」しかり。
「こっから」のなかでも、メンバーカラーの入った詞のリレー部分がすきだ。歌番組ではカットされがち。きみは「しかし悔しさで黒く燃える腹ん中」と、いつも叫んでいる。あらためて口にすると、なんて秀悦にきみを表現する言葉だろう。
澄ましたうつくしい顔立ちのうらで、ふつふつと沸き立つきみの感情。マイペースだけど、譲れない部分を頑固に、芯を保って生きるきみの。きみの人生は「悔しさ」で前に進んできた、と勝手におもっている。選ばれなかった、呼ばれなかった、自分は必要とされなかった、そういう悔しさをバネに、きみは自分を磨いてきたんだろうな。
「I can't be someone else. I know…」
このなかで自分が必要とされるには、自分が自分として居るためには、なにが必要なんだろうって考えてきた、その深みがあるきみだから、いまきっと、「アイドル」としてここにいるのだろう。
きみと出会うことができて、ほんとうに幸せだ。これからも尽きない「悔しさ」でこの世界を生き抜いていくきみを、できればずっと見ていたい。
(20230105 THE FIRST TAKE「こっから」)