2024/1/3 誰かの孫に戻った日

pome
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帰省先で夫の祖母宅に新年の挨拶に行った。夫と結婚して、一昨年初めて会ったばかりなのに、生まれた時から知っている血のつながった孫のように可愛がってもらえて、鰻をごちそうになって、干支の飾りをいただいた。

自分自身の祖父母は、1人は自分が乳幼児の時に亡くなっていて、2人は高校生の時に亡くなり、もう1人は存命だが自分の母との嫁姑問題でこじれて疎遠で小学生のころからろくに会っていない。自分自身が孫の立場にいたのは病と認知症でちょっとおかしくなったところ見ながら長い介護の日々が続いた後に祖父が亡くなった高校生の時、「亡くなった時」の孫の振る舞いが最後だから、親からとも違った無償の愛を受けて自分なりに返して楽しく過ごす日というものをなかなか思い出せなくて、せっかく可愛がってもらっているのに、自分自身の振る舞いがぎこちなくなったのが申し訳なかった。

お祖母さんからは、固いものが食べづらくなってきたからと鰻の横についていたお漬物を貰った。そうか、このなんでもなさそうな大根の薄切りですら食べづらくなるんだな。次回帰省した時にお土産を選ぶときには、食べやすいものにしないと。

祖母宅を出て、その日の夕方に東京に帰ろうとしたら昨日の羽田での事故の影響で飛行機が真夜中発になった。6時間近く空港で待つことになったが、「翌日以降も飛行機の予約がいっぱいなら、いくら遅くなっても今晩中に飛ぶしかない、羽田からタクシー帰りなんて苦でもない」と早い段階で腹をくくっていたからか(自分がくくっていたからといって飛ぶわけではないけれど)、心理的には意外と待つのは負担ではなかった。

飛行機を待つ間、まだ飛ばない人たちのためにいつもより遅く開けてくれているであろうお土産屋さんに入り、地元のゆるキャラが描かれたタオルを買った。普段ものとして残るお土産を買わないタイプだが、こういう時くらい残るものを買って、いつか未来に「こういうことがあったな」と、思い出せるようにしようと思った。多分、このページを見なくても、ド派手なゆるキャラタオルを見るだけで深夜の空港と鰻を食べた日を思い出すと思う。

@pome
思考の言語化を練習するポメラニアン