ねこが3歳だったころ 2022-06-11

licolico
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https://anond.hatelabo.jp/20220611155931

増田とともにねこ一匹ひと一人の生活を送るねこは今月22歳になりました。パソコンの中に保存している写真見直していると2003年ころの写真が出てきました。まだ全身まるみがあってふわふわしていて、明るいところではちゃんと瞳孔が細くなって瞳もぼんやり白く曇ってないみずみずしい若ねこの姿がそこにありました。今でこそ口内炎が痛くても食べていただけないかと顔色を伺いつつ、片膝をついておくちもとに捧げるように給餌している毎日ですが、当時はカリカリは一日中出しっぱなし、適当に買ったねこ缶を朝と夜に半分ずつ分けて出す……と今思えばかなりいい加減なお世話をしていました。でもねこ増田もいっしょに遊ぶのが大好きで、とくに先っぽのフェイクファーが取れてしまった残りの単なるプラスチックの棒をぐるぐる回りながらいつまでもいかけて息を切らしてお水を飲むところまでを何セットも繰り返したり、あとはおせんべいの袋を綴じている金色モールをくるっとひねったもの増田が投げて、ねこが取りに行って増田の手が微妙に届かないところまで持ってきて落とす。それを増田が取りに行ってまた投げる。を何セットも繰り返したりしていました。

そんな感じの日々が永く続いていたのですが、これまで登れていた場所に登れなくなったり、これまで好きだった猫ちぐらなかに入れなくなったりと、変化に気がついたのが彼女20歳になった頃。ちょうどリモート勤務が普通になり、毎日24時間観察可能状態になったこともあるのだと思いますが、なんとなくそれに気がついた記念として初めて増田ねこのことを書きました。そのときにいただいたブックマークコメントでとても印象に残っている言葉があります

https://anond.hatelabo.jp/20200620124348

id:stygld “ひと一人ねこ一匹の暮らしなので、平日の日中20年間ほぼ留守番させていたのだけど、” 良い…その20年の、ある夏の平日昼間を想像して、俺も猫になりたいと思った。

そうなのです。コロナ日常になる前つまりリモート勤務なんて存在していなかったころ、平日の日中ねこは非観測状態だったと言えます。そんななか増田は平日の昼間にねこが部屋で何をしていたのか、あまり考えようとしていなかったことに気が付きました。シュレーディンガー先生が語られていたようにねこ波動関数に沿って存在しているので、増田職場仕事をしていたあの日あの時何をしていたか特定しようとした途端、ねこ分布関数無限大に発散してしまます。つまりその瞬間、職場にいる増田と部屋で留守番するねこはある確率で重なって存在していたことになり、増田孤独だったのではなく常にイマジナリーねことともに過ごしていたとも言えるでしょう。逆に言えば元増田さんの妄想のなかのねこもある確率で観察できない箱の中には存在しているのです。

ちょっと前にメッセージという映画がありました。増田は元の「あなたの人生の物語」が大好きなのですが、そのお話の中ではすべての時間で起こったことを俯瞰して一箇所に記述する異星人の言葉によって一人の人間人生表現することがテーマの一つになっています。私のイメージの中のねこは3歳であると同時に22歳であり、ブラッシングすると反対側によろよろ倒れそうになりながらもうっとり喉を鳴らすと同時に棒を追いかけてぐるぐる回っています。そして私の中では彼女が生を終えたあともおそらくそれぞれが同時に存在し続けるのではないかと思っていますこちらからは以上です