魚上氷（うおこおりをいずる）

いっそのこと雪解け水をひしひしと泳ぐさよりにでも生まれ変わりたい。きっと今のように歪めることも少なく、まっすぐに苦しい。絡まることもない。

でも、人生一度きりという言葉を、私は信じている。もう戻れない。何も戻せないのだ。前に進むしかないなんて本当に残酷だ。私は何度だって言うだろう。

だから出逢えたことも別れることも幸福であったし悲しかった。終わりが来る、永遠はない。貴方の深層に沈む永遠への憧憬を私は未だ、見つめることしかできていない。