ただただ悪夢が続く『ボーはおそれている』を見た

prispris
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filmarksにも書いたけど、怖がりなので、怖かったら嫌だなーと思って見る前にすでに金土で観た人の感想を漁ってから観た。

それにしてもこの部屋よくできてんな

ボーはちょっとメンタル的に繊細なてっぺんがうっすらしている体に締まりのないおっさんである。母の誕生日に突発的な事象が起きて母に会いに行けずにいると、母の訃報を受け取り、否が応でも母を訪ねる必要ができる。が、一筋縄ではいかない。

あまり何について書かれているのかを気にしすぎて見ると気が狂うというようなことだったのと、さしてホラー要素はない、ということなので安心して見た。通常はあまりネタバレは好きではないというか、なるべく前情報を入れずに観に行って驚きたいタイプだけど、驚くのと脅かされるのは別問題なのだ。

導入部分の雪崩のように起きる不運や、事故をして拉致られた家での出来事、とにかく休まらない。やっと安心できるかと思われた孤児の森では、芝居に感情移入しすぎて芝居に取り込まれてしまう。時折リフレインする悪夢の断片が何かのヒントだったのかもしれないけど、回収された後でも何か嫌な感じしか残らない。全体的にはコメディなのだと思うのだけど、普通にコメディではないし、一息つくこともなく悪夢が延々と続いているような映画なので、突然終盤にアレを出してこられても誰も笑っていなかった。多分みんな引き攣ったような表情で見ていたと思う。どう反応するのが正しい(いや、正しさはこの際いいんだけど)のかわからなすぎ。終盤でチラッとトゥルーマンショー的なことなのかな?と思って納得する瞬間はあるのだけど、やっぱり違うんじゃ…となってしまって結局わからない。あの治安の悪い界隈は…そういう?ってなるんだけど、どこまでがそうなのか。

なによりホアキンは完全にボーであり、そんなはずないのに、なぜかこれがホアキンの正の姿のような気がしてならなかった。惜しげもなく披露される裸体も含め。

監督は母親との確執を抱えているのか?と思いきや、試写に招待して見せたとどこかで読んだ。どういうことなのか。これとは全く違う親子関係ということなのか。

ラストシーンはどう捉えればいいのかわからない。もしかして、出だしに戻る、なのかもしれないと今思いついたら、結構怖い。