Life is Beautiful by Lil Peep (written in spring 2015)
[Verse 1]
I know that it hurts sometimes, but it's beautiful
キツいときもあるけど、それは美しいんだ。
Working every day, now you're bleeding through your cuticles
毎日働いて、いま君は表皮から血を流してる。
Passing through a portal as you're sittin' in your cubicle
君は小部屋に座りながらポータルを通り抜ける。 *1
*1 ポータルは(=ポータルサイト的)インターネットを表しているよう。インターネットを通じて、部屋の椅子に座りながら別の世界に行けると。
Isn't life beautiful? I think that life is beautiful
人生は美しくないか? 俺は美しいと思うんだ。
Tryin' to keep your cool at your grandfather's funeral
祖父の葬式で冷静さを保とうとしていて
Finding out eventually the feeling wasn't mutual
結局その気持ちが同じじゃないって気がついた。
You were not invited 'cause you're nothing like the usual
君は招待されていなかったんだ。だって君は普通じゃないからね。
Isn't life beautiful? I think that life is beautiful
人生は美しくないか? 俺は美しいと思うんだ。
You wanna see your friends, but you're stuck inside a hospital
友達に会いたがっても、君は病院の中から出られない。
Doctor walks in and he tells you that it's terminal
医者が入ってきて君はもう末期だって言う。
Tumor in your brain and they're sayin' it's inoperable
彼らが言うには、脳に腫瘍があって治療不能なんだって。
Isn't life beautiful? I think that life is beautiful
人生は美しくないか? 俺は美しいと思うんだ。
They'll kill your little brother and they'll tell you he's a criminal
奴ら*2 は君の弟を殺して彼が犯罪者だって言ってくる。
*2 警察のこと。アメリカでは警察による暴力が社会問題となっている。
They'll fucking kill you too, so you better not get physical
君のことも殺してしまうだろうから、あまり逆らわないほうがいいよ。
Welcome to America, the type of shit is typical
アメリカへようこそ、こういうクソみたいなことが日常茶飯事なんだ。
Isn't life beautiful? I think that life is beautiful
人生は美しくないか? 俺は美しいと思うんだ。
[Verse 2]
Wake up in the morning, now you doing the impossible
朝早く起きて、いま君はできもしないことをしようとしてる。
Find out what's important, now you're feeling philosophical
何が大事なのかがわかって、いま君は哲学的なものを感じてる。
When I die, I'll pack my bags, move somewhere more affordable
俺が死ぬときは、荷物をまとめてもっと気軽な場所に引っ越すよ。
Isn't life horrible? I think that life is horrible.
人生はひどいもんじゃないか? 俺はひどいもんだと思うんだ。
You think she's adorable, she thinks that you're intolerable
君は彼女をかわいらしいと思ってるのに、彼女は君が耐えられないと思ってる。
You think you can do it, but your chances are improbable.
自分ならできると思ってるようだけど、君のチャンスはきっと少ない。
Once you feel unstoppable, you run into an obstacle
一度止まれないと感じたら、君はそのまま壁にぶちあたるんだ。
Isn't life comical? I think that life is comical
人生は滑稽じゃないか? 俺は滑稽だと思うんだ。
[Verse 3]
And if you ever need a friend then you got me
もし君が友達を必要としているなら俺がいるよ。
And in the end, when I die, would you watch me?
そして最後に、俺が死ぬとき、君は見ていてくれるかな。
And if I try suicide, would you stop me?
もし俺が死のうとしたら、君は止めてくれるかな。
Would you help me get a grip or would you drop me?
手を握って助けてくれるのか、それとも突き落とすのか。
Run away, make friends with the moon
ここから逃げ出して、月と仲良くしよう。*3
*3 MoonはLSDの隠喩。LSDをやって、現実逃避したいと。自殺願望があったのかと思わせるようなライン。
Why you trippin'? You'll be with your friends soon
どうしてトリップしてるんだ?
君はもうすぐ君自身の友達になれるのに。
There comes a time when everybody meets the same fate.
みんなが同じ運命を辿る。そんなときが来るよ。
I think I'ma die alone inside my room
俺は自分の部屋で一人っきりで死ぬんだろうな。
(https://note.com/nakam_24/n/na4e0862b92ac)
“Something that is comic is intended to be funny. Something that is comical is funny whether or not that was the intention.”
Bill Bryson『Troublesome Words』
これによると comic は意図的なおもしろさ、comical は意図に関係ないおもしろさ。
(https://whitebear0930.net/archives/12004)
アメリカでの処方薬濫用と依存症の増加は、1990年代に麻酔薬を鎮痛剤として流通させることが認可されたことが発端になっているという。
これが社会問題化している現状の原因について、神経科学者で依存症についての書籍も発表しているマーク・ルイスは次のように「The Guardian」に対し解説している。
濫用や依存症は薬物が手に入るから起きることではありません。たとえば、酒類がどれだけ潤沢に街に溢れていたとしてもわたしたち全員がアルコール依存症になるわけではありません。そうではなくて、依存症は心理的(かつ経済ま的)な苦悩から引き起こされるもので、特に幼少時と思春期に経験した苦悩が原因になっています(たとえば、虐待、ネグレクトやその他トラウマの残る経験)。
それは虐げられた子供時代の体験とその後の薬物濫用との相関関係としても明らかにされています。アメリカは児童の福祉や児童の貧困について、先進国では最低かそれに近い水準に現在あります。そうした状態では依存症が問題となっていても不思議ではありません。けれども、依存症について処方を出す医者のせいにするのはあまりにも簡単なことなのです。
その一方で、「The Guardian」は人と近いようでいて実は遠いソーシャル・メディアでの人との関係がリル・ピープの抑鬱をさらに助長したのではないかと推測している。たとえば、リル・ピープは死の数時間前に「助けがほしいけど錠剤を飲んだ後は平気だけれども、それも一時的でいつか若死にしなくなって楽しくなることもあるのかな?」とInstagramに綴っている。
(https://rockinon.com/news/detail/169947)
調査によるとミレニアル世代の半分が、心の不調で離職した。
ハーバード・ビジネス・レビューに掲載された新たな調査によると、心の不調を理由に離職した人の比率は、ミレニアル世代で50%、Z世代で75%だった。
ミレニアル世代は、その上の世代よりもセラピーを大切にしており、メンタルヘルスに問題があっても恥ずべきことではないと考えている。
調査の結果は、うつ病の増加、「絶望死」、さまざまな金銭問題、燃え尽き症候群など、ミレニアル世代を苦しめるいくつかの問題を強調している。
ミレニアル世代(1980〜95年ごろ生まれ)は、メンタルヘルスを職場で第一に検討すべき課題へと押し上げた。
ミレニアル世代の50%、Z世代(1995年以降の生まれ)の75%がメンタルヘルスを理由に仕事を辞めている。これはマインド・シェア・パートナーズ(Mind Share Partners)、SAP、クアルトリクス(Qualtrics)が、フルタイムで働く16歳以上の1500人を対象として、アメリカの職場におけるメンタルヘルスについての課題や偏見を調査し、ハーバード・ビジネス・レビュー(Harvard Business Review)で報告した内容だ。心の不調を理由に離職した人の割合は、すべての回答者では20%で、この年代は有意に高い。この調査報告の著者、ケリー・グリーンウッド(Kelly Greenwood)、ビベック・バパット(Vivek Bapat)、マイク・モーガン(Mike Maughan)は報告書に「世代間で考え方に違いが見られる」と記した。
(https://www.businessinsider.jp/post-200184)
エミネムは2007年にメタドン(ヘロイン中毒の治療薬)の過剰摂取で命の危機に瀕したが、『Vibe』とのインタビューで当時のことをこう語っていた。
「メタドンと知っていたら飲んでいなかったんじゃないかな。でも当時の自分の中毒性を考えると、絶対にないとは言い切れない。病院で『死にかけたんですよ』って言われたけど全くピンとこなかったね。」
さらに過去の処方薬依存症については、2011年に『Rolling Stones』のインタビューで赤裸々に明かしている。
「ものすごい量の薬を飲んでた。薬で興奮状態(ハイ)になるためにやっていたんじゃない、“普通”でいるためにやってたんだ。おかしいくらいの量を摂取してたよ。」
過剰摂取の後は断薬のため更生施設に入所し、今でもそこで会ったカウンセラーと週に1回は面談しているという。依存症だった頃には、睡眠薬、精神安定剤などのほかに麻薬性鎮痛薬のバイコディン(vicodin)を一日20錠も服用していたそうだ。
Xanny by Billie Eilish (2019)
[Verse 1]
What is it about them?
彼らの何がいいの?
I must be missing something
きっと私はなにかを見逃してるのね
They just keep doing nothing
特に何の効き目もないわ
Too intoxicated to be scared
酔いすぎて怖がりもしない
Better off without them
無い方がマシだわ
They’re nothing but unstable
彼らは不安定なのよ
Bring ashtrays to the table
テーブルに灰皿を持ってくる
And that’s about the only thing they share
彼らが分かち合うのはそれだけ
[Chorus]
I’m in their secondhand smoke
彼らの吐いた煙の中にいる私
Still just drinking canned Coke
今だに缶コーラだけを飲んでる
I don’t need a Xanny to feel better
気分を良くするのにクスリはいらないわ
On designated drives home
家まで送ってもらう時
Only one who’s not stoned
しらふなのは私だけ
Don’t give me a Xanny, now or ever
私にクスリを飲ませないでね、これから先も
[Interlude]
Can you check your Uber rating? Oh my god
あなたのウーバーの評価をみせて?嘘でしょ
(And it’s like, wait, like, when?)
(待って、これっていつ?って感じ)
[Verse 2]
Wakin’ up at sundown (Ooh)
日が沈む頃に目覚める
They’re late to every party (Ooh)
彼らはいつもパーティーに遅れてくる
Nobody’s ever sorry (Ooh)
誰も悪いと思ってない
Too inebriated now to dance
ハイすぎて踊れていない
Morning as they come down (Come down)
朝になると元気もなくなってくる
Their pretty heads are hurting (Hurting)
彼らの可愛い頭は痛んでる
They’re awfully bad at learning (Learning)
彼は学ぶのがとても下手なのよ
Make the same mistakes, blame circumstance
同じ間違いを繰り返し、周りのせいにする
[Chorus]
I’m in their secondhand smoke
彼らの吐いた煙の中にいる私
Still just drinking canned Coke
今だに缶コーラだけを飲んでる
I don’t need a Xanny to feel better
気分を良くするのにクスリはいらないわ
On designated drives home
家まで送ってもらう時
Only one who’s not stoned
しらふなのは私だけ
Don’t give me a Xanny, now or ever
私にクスリを飲ませないでね、これから先も
[Bridge]
Please don’t try to kiss me on the sidewalk
On your cigarette break
お願いだからあなたのタバコ休息中に歩道で私にキスをしようとしないで
I can’t afford to love someone
私には愛する余裕がないわ
Who isn’t dying by mistake in Silver Lake
シルバーレイクで事故死しないような人を
[Outro]
What is it about them?
彼らの何がいいの?
I must be missing something
きっと私はなにかを見逃してるのね
They just keep doing nothing
特に何の効き目もないわ
Too intoxicated to be scared
酔いすぎて怖がりもしない
Hmm, hmm
Hmm, mmm, mmm, mmm, mmm
Come down
やってくるの
Hurting
傷つけながら
Learning
学びながら
(https://chocomint98.com/2019/12/04/%E2%98%85%E5%92%8C%E8%A8%B3%E2%98%85xanny-billie-eilish/)
一九六〇年以降、アメリカにおいては家族の崩壊が著しい。例えば、一九六〇年と二〇一〇年とを比較すると、一五歳以上の女性千人あたりの年間結婚数は半分以下に減少しているのに対し、離婚数は二倍以上となっている。また同棲の数も、一九六〇年の四十四万件から二〇一一年の七六〇万件へと一七倍以上になったと推定され、さらに非嫡出子の出生率は、一九六〇年の五・三%から、二〇一一年には四〇・七%へと大幅に上昇した。
(アメリカにおける家族の崩壊と『子どもの権利』―児童虐待防止法制度を素材として―)
Kill You by Emimem (2000)
They said I can't rap about being broke no more
奴らはもう貧乏をネタにラップすることはできないぞって言ってるが、
They ain't say I can't rap about coke no more (Ahh)
コカインをネタにラップするなとは言ってなかったぜ
(https://w.atwiki.jp/gachmuch/pages/230.html)
(https://genius.com/Eminem-kill-you-lyrics)
Stan by Emimem (2000)
But what's this shit you said about you like to cut your wrists too
しかし手首を切るのが好きってどういうことだよ
I say that shit just clowning dog,
俺は冗談のつもりで言ったんだ
come on, how fucked up is you
お前相当やばいんじゃないのか
You got some issues Stan, I think you need some counseling
問題ありだな、Stan、お前にはカウンセリングが必要だと思う
To help your ass from bouncing off the walls when you get down some
何があってもぶちきれてしまわないためにな
(https://gamp.ameblo.jp/lovely-piggie/entry-11285200999.html)
近年アメリカでは、白人中年男性の自殺が目立って増えています。原因は白人の地位の低下です。プライドもお金も、そして精神の安住さえない。それが現在アメリカの中西部や南部の田舎に住む、少なからぬ白人たちの立ち位置なのです。
(https://globe.asahi.com/article/11535361)
Traditionalist(伝統主義者世代) = 1928 – 45 年ごろの生まれ
Baby boomers(ベビーブーム世代) = 1945 – 64 年ごろの生まれ
Generation X(X 世代) = 1965 – 80 年ごろの生まれ
Generation Y(Y 世代) = 1980 – 95 年ごろの生まれ
Generation Z(Z 世代) = 1995 年以降の生まれ
米国では、中年期に突入した「ジェネレーションX」世代の間で絶望感が広がりつつあることが、米ヴァンダービルト大学医学・健康・社会センターのLauren Gaydosh氏らの調査から明らかになった。30歳代後半から40歳代前半に差し掛かったこの世代では、絶望の指標ともいわれる抑うつや自殺、薬物やアルコールの乱用が全般的に増えていることが分かった。この結果は「American Journal of Public Health」5月号に発表された。
ジェネレーションXは、1960年代初頭または半ばから1980年代前半までに生まれた世代を指す。Gaydosh氏らは今回、ジェネレーションXの中でも若い世代に当たる1994~1995年に7~12年生(日本の中学1年生~高校3年生に当たる)だった1974~1983年生まれの男女1万8,446人を対象に、絶望の指標について調べた。
その結果、対象者が30歳代後半に入ると自殺念慮や抑うつ症状、大麻使用、大量飲酒者の割合がいずれも上昇していたことが明らかになった。「30歳代後半に入ったこの世代の大量飲酒者の割合は、同世代でピークだった学生の頃と同程度まで増加しつつある」とGaydosh氏は説明する。
また、これまでの研究では、こうした絶望感は教育レベルの低い白人の間で広がっているとされていた。しかし、今回の調査では、ジェネレーションXで絶望感にさいなまれているのは低学歴の白人だけではないことも示された。白人では青年期の大量飲酒の頻度が高く、ヒスパニック系や黒人では年齢を問わず抑うつ症状の頻度が高いなど、人種や教育レベルによって絶望の指標のパターンに違いはみられたものの、これらの背景にかかわらず、この世代全体に絶望感が広がっていることが分かった。
Gaydosh氏は「実際、この数十年で45~54歳の中年期の男女では死亡率が上昇傾向にある」と指摘する。その上で、「この世代全体に絶望の指標となる抑うつなどが広がっているのは問題だ。人口学的な背景が異なる全ての集団で死亡率を引き上げることになるかもしれない」と話している。
Gaydosh氏は、この世代に絶望感が蔓延している要因をいくつか挙げているが、その一つとして「単純にこの世代の人たちが、家庭や職場などで特に厳しい状況に置かれることが多い年齢に差し掛かっているからではないか」との見方を示している。また、中流階級の衰退や伝統的な家族構造、社会的結束の喪失といった米国社会の全般的な変化が、この世代の状況に反映されている可能性もあるという。
(https://www.carenet.com/news/general/hdn/47969)
STOP HISTORY
歴史を止めろ。p.41
YOU MUST CHOOSE BETWEEN PAIN OR DRUDGERY
苦痛または単調な仕事の、どちらかを選ばねばならない。p.60
ECONOMY OF SCALE IS RUINING CHOICE
規模の利益が選択を毒している。p.78
REINVENT THE MIDDLE CLASS
中流階級を再発明せよ。p.112
NOSTALGIA IS A WEAPON
ノスタルジアは武器である。p.149
YOU MIGHT NOT COUNT IN THE NEW ORDER
新秩序では、君は数にはいらないかもしれない。p.157
(『ジェネレーションX 加速された文化のための物語たち』1991)
息詰まるようで、かと言って完全に絶望できずに死にきれない将来。責任感も持たず、気怠げに重ねられる日々は楽で、同時に逃れられない「文明」という概念と自分を比較して真綿で首を締め付けられるよう。三人組の会話よりも語録の方が、その醒めた思考を表していて的確だ。また、一見、理解者のようなThe Americanに見えたトバイアスが豹変する場面は思わず、『アメリカン・サイコ』を重ねてしまう。
(https://bookmeter.com/books/516264)
登場人物はもうすぐ30の若者達。クソみたいに退屈な大人になる前の、永遠には続かないモラトリアムを味わう。最後の子供達とのシーンで、ライ麦畑の「アリー、僕の身体を消さないでくれよ」を思い出した。