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リーガルビート最終回

さおり
·
公開:2026/9/19

曖昧な弱者と明白な弱者の構図がずっと根底にあり、最終的に都知事との対峙があるんだろうなということは1話から示されていたことだったと思う。でもこの都知事をただ単に「曖昧な弱者の人達をターゲットにしたポピュリスト」というふうにしなかったところ、この都知事もそもそもは「弱者」だったということが、最終回で明らかにされて、そこが凄いなと思ったし良いなと思った。「弱者を排除してでも社会を前に進めなければならない」という言葉が、票や自分の人気を集めるための言葉ではなく彼の本音であるということも凄いなと思った。自分と同じ立場のひとたちを救うため、ではなく、だから弱者はきりすてなければならない、みたいなところに行き着いてしまうところ、その歪み。自分は自分の力でのし上がってきた、だから悪いのは弱者であるまま自分の権利を主張する人達だ、という言葉、それを言わしめてしまっているのがこれまでのこの国の社会構造のせいであるということが暴かれていた。

絵空事を絵空事と思わない人達のおかげで僕は弁護士になれたんです、という泰地くんの言葉がよかった。泰地くんが雪村さんと出会ったのは偶然でしかなくて、でも、出会えたのだ、ゼロではない、ということ、絵空事を信じる人は多くないかもしれないけれど、でもいる、ということ、一度になにかが大きく変わるなんてたぶんないのかもしれない、でもひとつずつ、ひとつじゃなくても0.001ずつくらいなら、変えていけることはあるのかもしれない。

世界がぜんたい幸福にならないうちは、個人の幸福はありえない。

わたしも絵空事を信じたい。

なにか言おうと、声をあげようとしているひとの言葉をまつこと、せかさないこと、耳障りの良い、気持ちのいい言葉にだまされないようにすること、つかえながらでも、なにか、声をあげているひとのことを貶したり馬鹿にしたり、嘲らないこと、それくらいからならはじめられるはずだ、自分以外の人は変えられないかもしれないけど、自分だけならできる、なにかひとつすること、しないこと、やめること、そういうところから絶対値をすこしずつ、増やしていきたい。

@prn990908
ことばのさんぽみち ときどき雨宿り