Cynic Japan Tour ライブレポート

今年は5月にGONGのライブに参加してからというものの、スケジュールを眺めながら悩んでおりました。辺境の地で暮らしているということもあり、そう気軽にプログレバンドの来日にいけないため、どれに行くべきか...と。

そんなおりに目に入ったのがCynicの来日ライブ!かなり行きたい...!でも、メタル系のライブは正直ちょっと怖い...!そんな気持ちでスケジュールを考えておりました。そこに降ってきたのがEL&Pの来日ライブ。これは行かねば!と即座にチケットを抑え、スケジュールを照らし合わせておりましたところ...

「あら?これ行けるのでは?」

偶然にも(単にわたくしが予定を読み間違えていただけなのですが)スケジュールの都合が合うことがわかるや否や、その場ですぐにチケットを購入。滑り込みで無事に参加できることができました。神に感謝...いえ、わたくしの日頃の行いの良さが全てここに集約されたと言っても過言ではありませんわ。全てわたくしのおかげですわ。おーっほっほっほ!!

さて、与太話はさておいて、まずはCynicという奇跡のバンドについて説明させていただきますわね。

Cynic について

Cynicは1987年にアメリカで結成されましたが、最初はメタルバンドとして活動をしておりましたわ。

最初はあまり鳴かず飛ばず(?)の彼らだったのですが、そんな彼らにとって大きなきっかけとなったのが、当時活躍していた「Death」という文字通り「デスメタルの祖」ともいえるバンドに、ギタリストのポール・マスヴィダルとドラマーのショーン・レイナートが参加。「Human」というアルバムに参加し、高い評価を得ます。

そこで、培ったものを生かして出来上がったアルバムが奇跡の大名盤「Forcus」ですわ。

テクニカル・プログレ・デス・メタルの名盤であり始祖という呼ばれ方もする本作は、唯一無二のサウンドを展開し、前述の「Human」の「デスメタル」という分野をさらに拡げ、細分化させたましたわ!

しかし、翌年にはベースのショーン・マローンが「創造性の違い」として脱退し、そのまま解散。

しかし、その15年後の2005年に再結成をしアルバムを2枚発表。しかし、これも2015年に再度解散。

2017年にまた再結成をし、また活動開始を始めたところである悲劇がバンドを襲い、オリジナルメンバーでもあった「ショーン・レイナート」とベーシスト「ショーン・マローン」が2022年に相次いで亡くなってしまいます。

その悲劇を乗り越えるように2021年にアルバムを作成。

2023年には30周年を記念して「Refocus」を発表。

いわば今回の来日は、focus30年記念と同時に亡くなった2人の追悼ライブでもあるのです。

ライブ

場所は「代官山Unit」。たまに代官山には伺うのですが、ここにもライブハウスがあるものなのかと驚きましたわ。(いつも蔦屋書店だけ行くので...)

今回のライブは複数のバンドがO.Aを務めるライブでした。

O.A.を務めるのは「Ulma sound junction」「Exist Immortal」「Cyclamen」いずれもプログレッシブ・メタルというジャンルで活躍するバンドのためわたくしも大喜び。ですが、メタルバンドの現場は初めてですので不安...と、思ったのですが、今回は会場の広さもちょうどよく、前方端でステージもほどよく見えつつ壁際で聴くことができました。スピーカー近くでしたので、音圧だけ心配でしたが、深夜にノイズミュージックを爆音で聴いて鍛えてきたこの身。耳栓なしで楽しむことができましたわ!

Ulma sound junctionについて

沖縄出身の4ピースプログレッシブバンドとのことでしたが、今日聞く限りゴリゴリのテクニカルデスバンドかと思いましたわ! おそらく、Cynic公演に合わせてハードなセトリを持ってきたのかしら。

ボーカルの方は歌いながらゴリゴリのベース弾いて、さらにパフォーマンスまでして盛り上げてくれましたわ!! 途中、Cynicの「Veil of Maya」っぽいリフをちょっとソロに入れてた気がしましたが、こういうちょっとしたサービスもさらっとやるのカッコいいですわ。

しれっと大曲もやっていましたが…笑

Exist Immortalについて

イギリスのプログレメタルバンドとのことでしたが、なんといってもメロディがしっかりしているので、非常に聞いてて気持ちがよかったですわ! エモっぽいボーカルもさらにメロディの良さを助けている気がしますわ。

メンバーは基本的にみんな客席ギリギリまで寄ってきて全員で観客を煽る煽る!! カメラマンもなぜか途中ボーカルからマイクを奪いデスボイスを披露するなど、とにかくライブパフォーマンスが素晴らしすぎですわ!!

Cyclamenについて

さっきまで運営していた優しそうなおじさまがステージが始まるや否やデスボイスにスクリーム!これがギャップ萌えですわね。

ポストロック的な激情感あるサウンドと、激しく畳み掛けるサウンドの両方を使いこなすテクニカルな演奏! MCされている時も思っていましたが、やっぱり声がいい人は声がいいですわ。

前の方で聞いていたのですが、このバンドに関しては後ろの方でじっくりと重厚な音を聴きたかったですわ…悔しい!

Cynicについて

Cynicを見たというより、何かとんでもないものを見たと思いましたわ…。 なにはともあれ今回のテーマでもあるFocusの再現で会場は一気にボルテージマックス!! もう、何はともあれ、これを聴きにきた!

ていうか、ポール様の眼鏡姿が素敵…。

そしてアルバムでは散々聞いてきたのですが、改めてライブで聴くとポール様の弾くメロディラインがとってもセクシーで揺蕩うような浮遊感がとても気持ちいいですわ。

ていうか、ポール様の膝をついてギターを弾くお姿が素敵…。

focusの再現が終わると、亡くなられた「ショーン・レイナート」様と「ショーン・マローン」様がスクリーンに大きく映し出され、2人への追悼(黙祷)があり、2分間の黙祷。素晴らしい音楽をありがとう。そして、そんな悲劇を乗り越え来日してくれたCynicのメンバーも本当にありがとうございますわ。

ていうか、ポール様途中で曲のSE間違えた?って顔した後に「(よく聞いたら)あ!OK」みたいな表情されたの可愛い…。

やっぱり改めて唯一無二のサウンドというか、宇宙...輪廻...創造...と、悟りの境地に至るような壮大さ。サイケデリックやスペースロックとはまた違う、サウンド。さらにアルバムを聴いた時より、より一層メロディが際立って聞こえてきたため、メロディメイカーとしてのCynicの魅力もより味わい深く楽しむことができましたわ。

ていうか、ポール様ファンサ、すごいしてくれましたわ。

一応大きくプログレッシブメタルに分類される4バンドかとは思いますが、その4バンドとも独自の方向性があり、全然違う雰囲気でしたので、あらためてプログレッシブメタルって懐が深いと思いましたわ!

やはりどうしてもCynicへの想いが大きくなってしまうのですが、Exist Immortalのパワフルなステージは非常に盛り上がって楽しかったので、ぜひ履修してディグっていけたらと思いますわ!

当日は無料でYoutubeライブをされていたのと、アーティスト側と協議して、その映像を編集して公開できるように動いてくださっているとのことで、本当にありがたい限りですわ!やっぱり、できるならば何度でも見返したいですものね!

ちなみに、写真OKだったのですが、上着にスマホを入れたままコインロッカーに預けたポンコツお嬢様ことわたくしのため、写真はありませんわ!!残念!!

以下、セットリストですわ!

  1. Veil of Maya(Focus)

  2. Celestial Voyage(Focus)

  3. The Eagle Nature(Focus)

  4. Sentiment(Focus)

  5. I'm But a Wave to...(Focus)

  6. Uroboric Forms(Focus)

  7. Textures(Focus)

  8. How Could I(Focus)

  9. 追悼

  10. Kindly Bent to Free Us(Kindly Bent to Free Us)

  11. ADAM’S MURMUR(Traced in Air)

  12. BOX UP MY BONES(Carbon Based Anatomy)

  13. Integral Birth(ソロ)(Traced in Air)

  14. Space(ソロ)(Re-Traced)

  15. in a multiverse where atoms sing(Ascension Codes)

  16. Evolutionary sleeper(Traced in Air)