今年の聴いてきたプログレ作品で、とてもよかった作品を25枚にまとめました。前置きはさておき、さっそくどうぞ!
Neal Morse - The Dreamer - Joseph: Part One
1枚目は、もはやシーンの大ベテランNeal Morse様による、「The Dreamer - Joseph: Part One」ですわ!聖書のヨゼフをコンセプトにしたアルバムになっており、王道でありつつもキャッチーなメロディと、どこで切っても隙のない作品ですわ!!
来年の1月には2部の発売も控えておりますので、今から楽しみですわ!
Klidas - No Harmony
今年のニューフェイスにて上位次元の存在それがKlidasなのですわ!
サックスの存在感によりジャズっぽさを強く出しつつも、ポストロック・アンビエントのような緻密で繊細な音の重なり。全体を通じて、冷たく鋭い線が1本、ピンと張ったような緊迫感とドライな空気感に痺れる1枚ですわ。
Gong - Unending Ascending
5月に来日もしてくださったGongによる新作も文句なしのサイケデリックロックですわ!
60、70年代のサイケデリックにタイトなリズムセクションが演奏を非常に現代的なクオリティへと引き上げられており、すでに新GONG風のサウンドを確立しつつ、過去へのリスペクトも忘れてない愛すべき1枚ですわ!
Sonar - Three Movements
ヌーヴォメタルの傑作!
冷たく硬い無機質なサウンドに暗く深い深淵のようなサウンド。まさにSonarの名にふさわしいアルバムですわ!ミニマムでありながらも複雑に絡み合うリズムとノイジーなサウンドに虜ですわ!
Soft Machine - Other Doors
昨日も触れましたが、バンドを支え続けた「John Marshall」様の遺作ですわ。今年はもう一つカンタベリーロックから選出したのですが、やはりアプローチが違うというか、カンタベリーの開祖でありながら、その音楽性を拡大し続けようとする姿勢も含め、そのプログレッシブな姿に感涙です。
Agusa - Prima Materia
スウェーデンから北欧の森からAGUSAがきましたわ!
60/70sのヴィンテージな香りを漂わせるフォーキーなサウンドとヘヴィなリズムで幽玄なサイケデリック空間を展開!展開を重ねるたびに、その音像は厚みを増していき、より幽玄な空間へと誘われていく体験に酔いしれますわ!
The Flower Kings - Look At You Now
元からシンフォ・ポップな作風でしたが、このアルバムはもうその作風の一つの極致にきてしまったのですはないかと思う完成度のアルバムですわ。今年選びました、Moon Safariと並べて「プログレよくわからない」という人にも聴いてほしいアルバムですわ!
Steven Wilson - The Harmony Codex
ウィルソン様の新譜ですわ~!!わたくし、ウィルソン様に関してはもう手放しで大喜びいたしますわ。特に本作は、前作のようにシンセポップをメインにしつつも、うまくバンドサウンドやアンビエントの要素を取り入れて、新しいウィルソン様のサウンドを見せてくれますわ!
来日して~~~~!!!
PoiL feat. Junko Ueda - Yoshitsune
フランスのアヴァンギャルドバンドと琵琶法師の融合!今年の衝撃度でいうとNo1かもしれませんわ!!和楽器とバンドの融合というのはよくあります(それこそそんな名前のバンドもあります)が、和楽器の演奏の独特の間まで吞み込んでしまったのはお見事ですわ!!
こちらも来日企画が動いているとの噂ですので、ぜひ来日して~~~~!!!
Moon Safari - Himlabacken Vol. 2
お屋敷でも聴いてくださった方がおられ、おおむね好評なMoon Safariのアルバムは、それはもう素晴らしいクオリティでしたわ!!青春サウンドなんていう言い方をされる方もいらっしゃるそうですが、キラキラしたサウンドに美しいコーラスはやっぱり最高ですわ!
来年の来日も楽しみですわ!
TON SCHERPENZEEL - Virgin Grounds
曲を聴いて情景が浮かぶ。そんな体験ができるアルバムですわ。全部シンセのみで構成されていてこの表現力は、まさにシンセを使いこなしてきたベテランの技ですわ!ちょっとだけゲームっぽいサウンドも好きですわ~。
Lars Fredrik Frøislie - Fire Fortellinger
正直「WOBBLER」のメンバーという時点で、逆張りお嬢様が発動してしまい「どうせそういうサウンドでしょ」と、聴く前から穿った目をしていたのですが、聴いてやっぱり降参ですわ。好きなんですもの。好きじゃなかったらプログレなんて聴いていませんわ。悔しい~!!
Balmorhea - Pendant World
クラシックというかアンビエント的なミニマルな作風なのにエネルギーを内包したサウンドというか質量が感じられて、ちょっとでもバランスを崩すと爆発しそうな緊張感と静謐な雰囲気がうまく調和された素晴らしいアルバムですわ!
Sleeping Pandora - Solar Island
今年ヘビロテしたアルバムの一つですわ。もう上質なチルサウンドにわたくしメロメロ。それこそ昨今いろんなバンドがチルな曲を出していますが、1枚通して軸が通っているので、とりあえずお耳が寂しい時に流して後悔しないアルバムでしたので、ついついヘビロテですわ。
Trevor Rabin - Rio
一部では「YESの最新作だ」なんて皮肉めいたことを言う人もいるほど、ファン待望のアルバムでしたわ。シニカルでポップなアルバムはやっぱり80年代YESを感じさせつつも、映画の仕事をしてきたサウンドのアレンジだったり、プリミティブなリズム感覚は最高ですわ。
Eyeless Owl - Murmurations
マスロックのようなタイトな演奏と予想できない展開、さらに70年代のような叙情性を兼ねそろえたマス・アヴァンプログレの傑作ですわ!!キメッキメなのに、叙情性が感じられるってどういうことなのって思ったりもしますが、やっぱりメロディが素晴らしいのでしょうね。良い...。
The Mercury Tree - Self Similar
「新しいことを思いついてやってみよう!」に対して「それは誰もが思いついたけど、あえてやらなかったことだ」なんて言いまわしがあるように、きっと昔から微分音を使って音楽を作ろうとする取り組みはあったかと思いますが、このバンドほど練りに練ったアクセントとして使いこなしているバンドはないんじゃないか!?と思ってしまうほど、巧みな音表現に驚きですわ!
Ok Goodnight - The Fox and the Bird
アニメRWBYにも曲を提供したことでも有名なOK Goodnightによる最新作ですわ!このアルバムきっかけで「RWBY」をちゃんと観るか...と思い「氷雪帝国」と「シーズン1」から見始めましたが、どこまで見たかしら...。チーム「RWBY」の4人の百合アニメだと思っていましたのに、ストーリーが進むにつれて内容が重たくなっていくんですもの!見ていて辛くなってきましたわ...。
さて、メンバーが若いということも関係あるのか、ジャンルにこだわらず、ありとあらゆるサウンドを巧みにまとめあげたジャンルレスなサウンドは唯一無二ですわ!日本でも海外でも、ジャンルに縛られず良いと思ったサウンドを取り入れて、自分達の音楽に活かしていく流れはとっても素敵ですわ!
アルバムカバーもとっても可愛い、プログレッシブ・シーンの最先端ですわ!
The Chronicles of Father Robin - The Songs & Tales of Airoea - Book I
このバンドも、正直「WOBBLER」のメンバーが中心になっていたので、ひねくれお嬢様が発動してしまい、ねじれながら「どうせそういうサウンドでしょお?」と言っていたのですが、はい降参です。あなたの勝ち。対戦ありがとうございました。なぜプログレなんて好きになってしまったんだろう...の答えがこのアルバムですわ。いえ、ちょっと言い過ぎましたが、もう全面降伏してしまった以上わたくしにできることは、このアルバムを聴いてレコメンドすることだけです。聴いてください。
Dominic Sanderson - Impermanence
スーパールーキー!若き天才!齢23歳のDominic Sanderson様のデビューアルバムは、70年代から現代に至るまでのプログレの系譜を一身に引き継いだようなサウンドに、メロトロン・キメ・変拍子・ジャズ・叙情・展開!このままプログレチックな方向に進むのか、それともあくまでプログレ的なフレーバーをもって現代の音楽シーンに立ち向かっていくのか、今後の展望が楽しみですわ!
Peter Gabriel - I/O
孤高のポップスターが帰ってきましたわ!いつも不思議なのが、GENESISというバンドからでてきた「ピーター・ゲイブリエル」と「フィル・コリンズ」という2人のポップスター。音楽性の違いこそあれポップスの世界で大成功を収めている2人が、GENESISという叙情性たっぷりなプログレバンドで一緒にいたというのが、本当に運命的というか感慨深いものがありますわよね。まぁ「スティーブ・ハケット」のせいと言われればそうかもしれませんが...。
5th Season - 5th Season
揺蕩うようなアンビエント・スペースサウンドに、非常に美しく憂いを帯びたメロディラインは、まるでPink Floydを彷彿とさせるような魅力がありますわ。70年代のメロディック・プログレを彷彿とさせつつも、現代的なまとまり感が、古き良いサウンドを巧みにアップデートしておりますわ!
デビューアルバムにして、この完成度。今後が特に気になるアーティストですわ!
Downes Braide Association - Celestial Songs
わたくし去年ダウンズ様をみたんですのよ!YESとして来日なさった時に、ダウンズ様を見たんですの!しかも!しかも!!「Video Killed the Radio Star」をソロで演奏なさったんですのよ!舞台が暗転したかと思えば、バックにあのPVが流れたとき、わたくしもう嬉しすぎて叫びそうになりましたもの!!ア~ワッア~ワッ!!ですわ~~~!!!
zopp - Dominion
ここから下2枚は急遽ランクインしたアルバムですわ!こちらのアルバムはカンタベリーロックの作品で、先ほど紹介した「Soft machine」と同じジャンルですが、昔ながらのサウンドをメインにしているバンドですわ!あの頃のサウンドでファンとしては最高なのですが、それではただの懐古主義。現代的なアレンジやモダンなテクによって、あの頃のサウンドをよりアップデートしていった先を聞かせてくれますわ!
SEVEN IMPALE - summit
こちらも急遽追加ということで、いつものレコメンドはまた来年させていただきますが、こちらも凄い!!太陽と旋律時期のキングクリムゾンのような緊張感と狂気的なグルーヴには「参った」の一言!アヴァンギャルドな傑作ですわ!!
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以下の2枚はギリギリまで入っていたのですが、急遽入れかえてしまったために候補外にしてしまったアルバムです。でもどちらも素晴らしいアルバムですので、聴いてください!!
Haken - Fauna
来年来日も決まったHakenの最新作ですわ!プログレメタルのもうベテランですわよね。重厚なメタルサウンドをベースにもはやDjentといってもいいくらいまでフュージョン・テクを高めた一枚!複雑さとキャッチーさの両立は素晴らしいですわ!!
arch ECHO - Final Pitch
こちらもHakenに負けじ劣らずなスーパーDjent!お洒落さと超テクを組み合わせ、まさに新時代のサウンドでシーンを牽引する一枚ですわ!ところで何で原神のライブイベントに出たんでしょうか...。なにか関係とかあったのかしら...。フォンテーヌも進めなきゃいけないのに、スメールが長いのとストーリーが付いていけずに困ってしましますわ...。
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【プレイリスト】
感想
今年は新鋭・中堅・ベテランすべてが入り混じる豊作な年でしたわ!本当に素晴らしい1年で、アルバム選定もかなり困ってしまいましたわ。本当はここにYESとかSwansとかSleep TokenにGALAHADなんかも入ってきてもおかしくないくらいのものですが、そうなっちゃうともうわたくしの収拾がつかなくなってしまうので、25枚(+2)にまとめさせていただきましたわ。
来年もたくさん音楽を聴いて、皆さまにご紹介できればと思いますので、来年もどうぞよろしくお願いいたしますわ!