4055文字:おおよその読了時間は15分だそうです。長いので読書のお供に15分のプログレをご用意しましたので、ご活用ください。(余計なお世話)
わたくしは、実はうっすらとジャズに対して苦手意識がある。
理由は本当にくだらないのですが、ジャズというジャンルが持つ「おしゃれ」さがうっすらと苦手なのです。
そもそもジャズの歴史を紐解けば、黒人コミュニティから生まれた音楽であり、それが白人にも受け入れられ、時代と共に常に進化をし続けてきたジャンルだと理解しています。
その長い歴史の中では、ジャズは低俗な音楽だと揶揄された時代を経て、黒人の差別を歌ったり、公民権運動や奴隷差別への抵抗...。
とても表層的な「おしゃれ」だけでは片付けられない重い歴史がそのバックグラウンドに存在しているわけです。ブルースとかもそうですわね。
それをただただ「おしゃれ」という言葉で片付けるのはジャズに対して非常に失礼であるという考えと、それに伴うジャズというジャンルの敷居の高さ。そして、なによりも長い歴史の中で生まれた数多のサブジャンル。それを知らずしてジャズを語るなかれという意識...。そしてなによりも、その歴史の重さを理解できないまま、ただ「おしゃれ」と感じ消費してしまうわたくしの浅薄な感想...。
あと、こう...「おしゃれ」なものが...その...こそばゆい。おしゃれなきらきらした空間にいると、場違いのような感覚...。
そういった色んな事情が絡むことにより、このうっすらとした苦手意識が生み出されてしまっているのです。
さて、わたくしは自らを「プログレ大好きお嬢様」略して「プログレお嬢様」。戻して「プログレばっか聴いていると見せかけて普通にJ-POPとか聴いているお嬢様」。増やして「プログレッシブロックばっか聴いているフリして普通にJ-POPとかアニソンばっかり聴いているくせにそんな大層な名前をつけるとは烏滸がましいとは思わんかねお嬢様」と名乗っているのですが、ジャズとプログレは切っても切り離せない関係にあります。
プログレッシブロックの金字塔「クリムゾンキングの宮殿」(間違っても「キングクリムゾンの宮殿」と言ってはいけない。さもなくばどこからともなく闇の住人が現れ「名前が違う!」と晒し者にされ、いつの間にか諸葛亮に火を放たれ、逃げ出した先では「げぇ!関羽!」ジャーンジャーンジャーン)を聞けば、その音楽性に「ジャズ(フリージャズ)」の影響があるのは間違いありませんし、ジャズの巨匠「マイルス・ディヴィス」が発展させたジャズ・ロックからフュージョンの歴史を考えれば「ジャズを知らずしてプログレを語るなかれ」という有識者が現れ、魔女狩りの如くお縄にかかり、棒で叩かれ、水に沈められ、最後には火炙りにされてしまうという末路は想像に難くないでしょう。とても厳しい。ジャーンジャーンジャーン
そのため、自分は魔女ではないと免罪符のように「ジャズはあんまり詳しくないのですが、「Bitches Brew」や「Return to Forever」や「Chick Corea」とか聴きますわ」という皮をかぶって生きています。全部チック・コリア様じゃないですの。
しかし、やはりプログレを語る上で、避けては通れないと「マイルス・ディヴィス」様の「In A Silent Way」「Bitches Brew」「A Tribute To Jack Johnson」いわゆる電化マイルスと言われる名盤にチャレンジしては、逃げ帰っているという状況がかれこれ数年レベルで続いております。
これは、前述の苦手意識もあるのですが、やはりジャズというジャンルから紐解かなければならない部分がごそっと抜け落ちていることにより起こる現象だと考えており、もっとジャズに対する知見を得た上でチャレンジしなければ永遠に逃げ帰る日々が続くのだろうと予感しております。でも...オシャレなものを聞くと...こそばゆいんですの...。おしゃれなジャズバーでナッツをつまみにワインを傾けるなんて怖くてできない...。オレンジジュースをください。できたら愛してください。
しかし、時代を少し進めるのですが、なぜかフュージョンは聴ける。
それこそ前述の「Return to Forever」や「Mahavishnu Orchestra」「Al Di Meola」などは普通に聴けるし、なんならかなり好き寄りではあります。みんなが大好き「CASIOPEA」も好き好き大好き。
時代を戻してフリージャズを聴いてみたら「Art Ensemble Of Chicago」などは全然聴けました。ただやはり物足りなさを感じる部分がありましたが、これはもうロックサウンドに慣れ親しんでいるせいかもしれません。(というよりかは、元々ノイズ・アヴァンギャルド系に対しての耐性があるので、もうそういう耳で聴いてしまっているのかもしれませんが...)
では、なぜその狭間の電化マイルスが聴けないのか...。
いつもであれば、その謎を調査すべく、このままアマンゾの奥地へと赴いて筆を置くのですが、この先ももう少し言語化をすべきではないかとわたくしのなかのわたくしが囁いているし、ガイアもガンダムも囁いている。そんなにいっぺんに囁くな。1人ずつ喋りなさい。
その理由の一つとして、やはり「マイルス・ディヴィス」という巨大な存在が影響しているのかもしれません。わたくしの聞き齧った話によれば「マイルス・ディヴィス」がジャズにもたらした影響は尋常じゃないものだと聞き及んでおります。
ジャズにも様々なサブジャンルがありますが、彼は1人でいくつものサブジャンルを構築してきたといい、インターネットのyahoo!知恵袋ことwikipedia様によれば...
クール・ジャズ、ハード・バップ、モード・ジャズ、エレクトリック・ジャズ、クロスオーバー、ヒップホップ・ジャズなど、時代に応じて様々な音楽性を見せ、ジャズ界を牽引した。
とのこと。怖すぎ。そういうのって、1人1つが約束なんじゃないですの?
そのくせ...
音楽的には柔軟で先進的な姿勢を貫いたマイルスも、フリー・ジャズは演奏せず、オーネット・コールマンを批判したこともあった。
ますます分かりませんわ...。わたくしなんてもう愚かなもので「Bitches Brew」などはかなりフリージャズ寄りではなくて!?と思ってしまったりします。ここがおそらくジャズ偏差値の境界線になっていると考えるのですが、そもそも「マイルス・ディヴィス」が切り拓いてきたクール・ジャズやハード・バップにモード・ジャズなどの差もわからないのに、フリージャズとの差異などわかるはずがありませんわ。わたくしは愚か。
結局、このお話になると最終的にはジャズの歴史をさらってそれぞれのサブジャンルを聞き込んで、その差を理解しましょうが答えになるかなと思います。しかし...その量たるや膨大...。時間がいくらあっても足りませんわ...。
もう一つジャズといえば、切っても切り離せない関係のものに「ファンク・ソウル」の存在があると思っています。
ファンクといえば皆様お馴染み「Sly & the Family Stone」や2025年に来日する「Earth, Wind & Fire」などが挙げられますね。ぱーりらーせでーゆーりめんばー。
こちらも黒人ルーツの音楽であり「R&B」と「ジャズ」が融合したダンスミュージックであると「Yahoo!きっず」でググりました。
そして、それらが融合して(元々融合してたのに?)「ジャズ・ファンク」というジャンルや「アシッド・ジャズ」に繋がっていくそうです。
「アシッド・ジャズ」といえば皆様おなじみ「Jamiroquai」ですわね。
これら「ファンク」と「フュージョン」への接続や、後述のジャンルと切っても切り離せないものには「ディスコ」の存在...。あぁ、まさに沼...。ちょっと調べただけでキリがない...。はやく全てを投げ出してamazonの奥地へと駆け出したい...。これらクロスオーバーの数々がわたくしをジャズという迷いの森(BGM:森のキノコにご用心)に引き摺り込んでいる...。プゥン!コイ〜ン!コイ〜ン!コイ〜ン!ピロロロロ...
そもそも「ディスコ」だって「テクノ」や「クラウトロック」などとの関係性とかふわっとしてますし。ビートの問題?わからない...。しかし、その両方にいえることは...そう「おしゃれ」...。
ジャズという「なんとなくおしゃれ」という意識だけで、その全貌は霧がかかって一寸先も見通せない巨大な大海を前にわたくしは踏み出せないまま、ただただ怖いと恐れ慄いているのである。古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう。
しかし、そもそもプログレだって基本的にはクロスオーバーの音楽であるといえるでしょう。
ロックというジャンルから、様々なジャンルをキメラのように融合させてその音楽性を開拓していったジャンルですし...。
ただ、プログレはある程度先が見通せる部分は確かにあると思っています。
もちろん、新しい音楽を開拓しているバンドも多数ありますが、ある程度はあの頃のあのサウンドをもって「プログレ」と言っている部分もありますし、ジャズのようにありとあらゆるジャンルの基礎みたいな部分はありません。
あちらが海なら、こちらは沼。海は「すべての生命の母」であるが、沼は「おおよそ妖怪の巣窟」である。だいたい毒タイプかアンデットがでてくるので、光魔法を覚えておくと攻略が楽です。
だから「おしゃれ」が苦手なのか。
どっとはらい
P.S.
これを読んでいる頃には、最初にご用意した読書のお供が聴き終わり、体が次のプログレを求めていることでしょう。お任せください。ちゃんと次のプログレも用意しておりますわ。うふふ、なんと姑息なやり口。そういうところだぞ。