「日常」と「無関心」の間

progrhyme
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(2024-02-27 追記)この記事を元にブログを書きました。

 

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一行で

環境が変わると、それまでの人間関係が断絶することってあるよねって話。

本文

人間関係の距離感覚を考えると、この問題を少し捉えやすくなるように思う。

人が他人との関係性で認識できる距離の限界を仮に1kmとしよう。

目の良い人なら見えるかな、ぐらいの距離だ。

 

1kmの外に行った人は、自分にとって「無関心」という扱いとする。

 

進学、就職・転職、結婚、引っ越しなどで生活環境の変化に伴って大きく人間関係が変わることがある。

それによって、自分の100m以内にいる、「日常」生活の中で接する人々がガラリと入れ替わる、ということが起こり得る。

 

その変わりたてのときに、新しい人間関係の構築にかかりきりになってしまうのは、まあ仕方のない話かもしれない。

 

だがそれによって、今まで100m以内にいた人たちが、気づいたらいつの間にか1km圏外に行ってしまっていた、ということが往々にして起こりがちなのではないだろうか。

 

……というか、私個人の体験として、しばしば起こってきた。

それに関して、私自身、反省と後悔の念はある。

 

もちろん、人と人との関係は双方向のものだから、それについて私だけが悪い、ということもないのかもしれない。

むしろ、相手から繫ぎ留めてもらえなかったことを嘆くべきなのかもしれない。

 

それを「結局、その程度の関係だったんだ」と切り捨てることは容易い。

 

しかし、それでいいんだろうか。

 

100m以内に留めておくことが難しくても、自分が少し努力すれば200〜300mぐらいの距離は維持できる(できた)かもしれない。

 

仲がよかった人に対して、環境が変わったからといって、「はい、さよなら」と、1km圏外に追いやってしまうのは、悲しいことだろう。

それを意識的に行うのならまだしも、無自覚の内にやってしまうとしたら、防ぎたいものだ。

 

100m以内の「日常」接する人たちと、1km圏外の「無関心」領域の人たちとの間を、別の関係性の人たちで埋めることはきっとできるだろうと思うのだ。

@progrhyme
IT企業でソフトウェアエンジニアとして働いています。趣味で小説を書きます。