兎と狸と爺婆と

psymen
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次女の図工作品「かちかち山」タヌキの哀愁

今の小学校の図工は技術と素材、お題か決まっててあとは自由に表現するのが多く、これもその最新作 背景が紙、造形が粘土でできている

狸の表情がなんだか琴線にひっかかってぼやっと考えた

現代のマイルド版は「タヌキがおばあさんを撲殺した」という流れをあまり明確に語らないため、現代人の感覚だと後半からタヌキが可哀想になってくる その前提があるから共感に似た哀愁を感じるのだろうか?

ところで本来は更に前段にこのタヌキ、獣害もたらしていたところを爺婆にとっ捕まって狸汁にされそうになった、その報復にばあさんを婆汁にして爺さんに食わせたというホラーな経緯があって、全体として、理屈じゃない報復合戦というか、かなり殺伐とした内容となっている

江戸時代には「兎の大手柄」とも呼ばれていたようで、おそらく「仇討ち」を美徳としていた侍文化とそこから生まれた大衆文化に根っこを持つ話なのだろう (仇討ちは歌舞伎などにも非常に多いモチーフ)

などなど考えて、娘(小4)に「これはタヌキがかわいそうと思って作ったのか」と聞くと、憮然として「全然そんな事は考えていない」との事で、単に造形的技術が足らず単にこうなったようだ

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ヨーグレットをすぐ噛み砕き、水が湧くまで砂場を掘る @PsymenJ