『魔法使いの約束』、アニメ化おめでとう!
すなおにおめでとう、と言えてよかった。いや、そんなに古株のファンではないのだけれど。
原作がうまいことソシャゲナイズドされた設計になっているから、アニメとしての楽しみをうまく与えてほしいな~というのがひとつ。
そして、新しいユーザーを開拓して原作に触れる人が増えたらいいな~というのがひとつ。
でも一番は、自分がそうだったように、「この言葉に出会った」という衝撃が、新しい誰かにも訪れますように、かもしれない。
まほやく……というか都志見先生のテキストの特徴なのかもしれないけど、聞いたことある言葉の組み合わせで初めて聞く言葉を仕立てる方だと思っていて。
どうしたって一番に思い出すのは1部のリケとネロのシーンなのだけど(舞台版だと「夢見る明日」のシーン)、言葉にするのがうめえ~……と。
言葉に揺さぶられる感覚、というのを新鮮に教えてくれたのがまほやく。子どもの頃は初めて知るものが多かったから出会うことも多かったけど、年を取るにつれて心も固く、脳内辞書は分厚くなっていくからねえ。
だから、アニメでまほやくの言葉にはじめて触れる人がいたらいいな。これ、3周年のときのポエムラッピング電車への祈りに近いかも。
偶発的にまほやくに"出会って"ほしい。
夜なんとなしにテレビをつけてみた……というのは今どきあまりないかもしれないけどね。
だからこそ、アニメではまほやくの雰囲気を大事にしてほしいなあ~と思う。
ユーザーたちの期待と不安が乗った揺れる天秤で憔悴する心に、南祝祭のフィガロが声を掛けているのをたくさん見かけて、「まほやく」の目指している在り方を感じる。
自習の時間にたまたま手に取った本、模試の問題文の文章、駅の広告……。私の中にある、忘れられないそれらの言葉の隣にまほやくがいるんだよ。