トランスジェンダー追悼の日に書いた文章(自死にまつわる表現があります)

sana
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公開:2023/11/30

トランスジェンダー追悼の日 Transgender Day of Remembrance

りゅうちぇるのことを考える。あの報道があった日、私はテレビから流れてきた速報をみて、大泣きした。過呼吸気味になり、しばらく放心状態だった。好きな芸能人が自死をするのは過去にも経験済みなんだけど、今回の件は、それとはまた違う、確実に社会が一人の人間を殺すに至るまでの過程をみてしまった。そして私にとって他人事ではない、この社会でクィアとして生きる人間としては仲間の一人がこの世を去ってしまったという感覚。深い喪失感と痛み。

あの日はたしか、よりそいホットラインのセクシュアルマイノリティ専門チャンネルに電話をかけて、相談員の人に話し始めたら涙が止まらなくなった。その後もずっと悲しくて、この痛みを紛らわすために辛ラーメンを食べた。(精神的にしんどいことがあると私は辛い物を食べたくなる)

何より辛いと思ったのはクロ―ゼットとして生きる私は、この報道を受けて、世間での「りゅうちぇる死んじゃったんだね」みたいな会話に「そうですね、ショックですね。」くらいしか言うことができない。そんな、有名な芸能人が亡くなってショックとかそういうレベルではない、広く考えたときのコミュニティの一人として辛く傷を負っているし、本当は今すぐ泣き出したいけど、そこまで深い話はできない、そんな状況が苦しいと思ったし、私はクローゼットなんだと実感したんだった。

どうか、りゅうちぇるがこの世から解放されたところで深く息が吸えていますように。と改めて思う。

2023年11月20日

@queernessme
どこへいこうか