思い立ってから数日で、にじさんじENの翻訳切り抜きチャンネルを開設するに至ったので、その記録です。
翻訳の過程でクィアネスが漂白されたり、侮蔑表現を加えられたり、その作品をみた人間の無知で暴力的な意見に触れてしまったり、そういうことはあらゆるコンテンツで起こっていて、私はずっとそれにうんざりしていたんだけど(数日前に見たNetflixの作品でも”lesbian"が「レズ」と訳されているのをみて不快だった)特に個人のファンたちが自主的に翻訳・編集をするVtuberの翻訳切り抜きにおいては、そういうことが起こる頻度が高いし、まあ防ぎようもない。
数日前に、A Date with Deathの日本語切り抜きがオススメに出てきたので、何気なく開いたらコメント欄をみて気分が悪くなった。「EN勢、腐男子多くてホンマTSKR」っていうコメントにその時点で100近くのいいねが付いていて、チャンネル主もいいねしていた。ねえ、、、オープンリーゲイの人物(浮奇)が、同性キャラクターとの恋愛シュミレーションゲームをして、キャーキャーいってるところに「腐男子TSKR」とか言えてしまうお前らのその暴力性はなんなの?
浮奇をはじめとするEN勢のこと腐男子だといって喜んでる人たちは一体、浮奇の何をみているんだろうか、彼の堂々としたクィアネスは、そういう蔑みの視線、クローゼットに押しこんでくる社会の視線を跳ね除けるものじゃないんですかね、、、
しかも私は、A Date with Deathがめちゃくちゃ好きだから余計に悔しい。12月に遊んで以来、その話題ばっか呟いてきたことを私のフォロワーさんたちは知っていると思うけど、キャラクリの段階でさめちゃくちゃ嬉しかった作品だったんよ。Pronouns, Gender, Descriptive Words を自由に選択できるので。そもそものゲーム自体もめちゃくちゃクィアなこの作品が、その意味を特に理解できてなさそうな人によって訳され、拡散されている(現時点で日本語でみれるものがその動画しか存在していないから、日本語でその関連動画を観ようとしたら、確実にそこにたどり着いてしまう)その状況も相まってなんだか悔しい。
私はある程度は英語理解できるから、日ごろ英語の切り抜きだけみるようにしていて(クィアなシーンがあるやつは特に、信頼できる人のチャンネルしか見ない)日本語で不快なやつに遭遇する道をなるべく回避しているのだけど、改めて考えると、なんでこっちがそうしないといけないの?という疑問。あらゆる作品において翻訳という行為を挟めばその翻訳者の解釈が入ることは理解しているんだけどさ、クィアである自分たちが、母国語でただ楽しもうとしただけで、無駄に傷つけられないといけないのはマジでなんなの?
そう思うと無性に腹が立ってきた。日本語で安心して見れるクィアなコンテンツはまだまだ少なくて、海外からそれらを得るしかないのが現状じゃん。でも母国語でそれを享受できない現状、私はそれがすごい不公平だと思うんだよね。だって外国語学ぶのって楽なことじゃないから。義務教育の中の勉強だけで、ある程度理解できるようになれるのならいいんだけど、少なくとも、日本の義務教育ではそうはならないことが多くて、プラスアルファで努力が必要なじゃん。そこに割くことができるリソース、時間や経済力、あとはそもそもの語学学習の得意不得意はホント人それぞれなわけで、英語のコンテンツにハードルを感じている人達の存在や気持ちもめちゃくちゃわかるから、この状況がまじで歯がゆいんだよね。(私も英語に関しては色々コンプレックスというか苦手意識を持ってきたから。)
日本に、浮奇みたいにクィアネスに溢れたVtuberや配信者はなかなかいないから、彼にハマって、ENの配信をみはじめたのに。その日本語翻訳切り抜きをみて、謎に傷を負う。おかしいでしょ?
現状として、クィアが安心して楽しめる、信頼のおける日本語切り抜きチャンネルは本当に少なくて(その信頼チャンネルの皆さん本当にありがとうございます。)それなら私もその一つになったらいいのでは⁉みたいな気持ちが沸いてきた。母数を増やすに越したことは無いし、私はそれを実行に移す語学力は持ち合わせているのだし、今は時間があって配信も沢山見ているし、クィア当事者として、そこらへんのニュアンスを取りこぼさないように細心の注意を払えるわけで、まあ動画編集をマジでやったことが無いので、最初からクオリティの高いものはできるとは思ってなくて、やりながら学んでいくけど、こういうのに遭遇する度にこんな気持ちになるのなら、今後いつでも自分で行動に移せるように、とりあえず何か動画を作って、チャンネルを存在させておくのはありかもしれない。というかつくろう‼!今年は切り抜きチャンネルを開設しようと思った。(これが1月9日から10日にかけての夜の出来事)
自分の中に「絶対にやってやるぞ⁉」みたいな気持ちが沸き起こっていて、これらを呟きながら、すでに、切り抜きチャンネルの規約とか、YouTubeチャンネルについて調べだしていた。それで、翌日もずっとそのことを考えずにはいられなくって、動画編集のやり方を調べながら、実際に切り抜きを作り始めて。そんなこんなで、数日間、ぐわ―――っと自分でもびっくりするほどの勢いで、動画を完成させ、チャンネルを開設し、ANYCOLORの登録フォームに申請し、諸々の必要なことを済ませて、12日の夜には動画を投稿した。
これがその動画です!
編集のクオリティとかは全然高くないけど、初めての動画にしては満足です。サムネはすごく気に入っています。(というかレズビアンフラッグの色合いって可愛いですよね、と改めて。)
チャンネルを開設したことを、TwitterとDiscordに投稿したら、自分が思っていた以上に反応があり嬉しかった。特に、Discordでの反応は嬉しかった。だってここにいる人たち(クィアなENファン)に一番届けたくてつくったんだもん。リプくれた人たちも、初めて喋るけどDMくれた人もいて、つくってよかったーーーーーーーー‼!!!!って思いました。っていうか反応・拡散してくれた人たち全員ありがとうございます。
私のいいところ、やる気になったらすぐに取り掛かること。悪いところ、熱中してそれ以外のことに集中できなくなること。
たま~にこういう自分の性格を実感する出来事があるんだけど、今回もまさにそれで、あの怒りを感じてから動画投稿にいたるまでの数日間、このことに一気にエネルギーが注がれまくる状況だったので、それが終わって一気に疲労感と解放感があって変な気分だった。
ここまで読んでくれた方には、お分かりの通りなんの計画性もなく、勢いで始めたチャンネルなので、どれくらいの頻度で更新するかも分からないし、そもそも翻訳と編集難し~~~~って実感したところなんですけども、「クィアが安心してみれる日本語訳付きの切り抜きチャンネルを作る」「そういう安全なチャンネルとして存在しておく(=存在が抵抗)」という部分を達成できたので今は満足していて、また投稿したいものができた時に動画をつくって投稿します。細々とやっていくのでよろしくお願いします。
そんなこんなで、切り抜きチャンネルを開設するに至った私の記録でした。良かったら投稿した動画を見ていってもらえると喜びます。