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        <title>木津川結 - しずかなインターネット</title>
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        <description>木津川結 さんの記事一覧のRSSフィードです</description>
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            <title>木津川結 - しずかなインターネット</title>
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            <title><![CDATA[エレベーター]]></title>
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            <pubDate>Sat, 08 Nov 2025 21:06:04 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[エレベーターの扉が開くと、そこは絵に描いたような楽園だった。 
　鮮やかな緑がどこまでも広がり、色とりどりの花が咲き、美しい大きな鳥がそこを行き来している。 
　私は間違えたことに気づき、別の階のボタンと閉ボタンを押して扉を閉めた。 
　次に現れたのは、さっきよりも少し現実的な、より居心地の良さそうな空間だった。緑が豊かなのは同じで、小径とあずまやがその間に見える。どこかの避暑地を思わせる静けさで…]]></description>
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            <title><![CDATA[ハッピーエンド2《完》]]></title>
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            <pubDate>Fri, 07 Nov 2025 21:00:46 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[彼が私の肩にもたれかかってきた。しんどいの、と尋ねると、彼は弱々しく首を振って、それきり黙った。何を考えてるのと私が尋ねると、すっかり老人の姿になった彼は、老人のしわがれ声で話しはじめた。 
「君のことを考えてた」 
「私？」 
「俺が死んだ後も、君は毎朝起きて大学へ行って、友達と会って、勉強して、そのうち新しい恋人をつくるんだろう」 
「そんなことない」 
「あるよ。君は俺のことを数日で忘れてし…]]></description>
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            <title><![CDATA[ハッピーエンド1]]></title>
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            <pubDate>Wed, 05 Nov 2025 22:05:21 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[余命一日の人に恋をした。 
　正確には、余命十五時間四十七分。出会ったのは大学に向かう電車の中、私と彼は扉を挟んで、座席の端に設けられた仕切に背を預け、向かいあって揺られていた。 
　電車の扉が開き、私が彼を追いかけてホームで告白すると、彼は困ったような顔をして問いかけた。俺は今日一日しか生きられないけど、それで良ければ。いつもの電車が最寄り駅に着いた時だから、余命十五時間三十五分。彼は、たった一…]]></description>
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            <title><![CDATA[御堂家の墓19]]></title>
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            <pubDate>Fri, 04 Jul 2025 21:09:06 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[母の葬儀に参列したのかどうかも定かではなく、ただ、叔父の敦治に命じられるままに、その方を言われた場所まで送り届けたに過ぎないと言うのです。 
　その方の名前を覚えているか明子が尋ねましたが、運転手は首を捻り、その方ではなく、その方が雇われていたという大店の名前を口にしました。果たして、私たちが目指そうとしている、父が継ぐはずだった店の名でございました。 
　申すまでもなく、明子と私は矢継ぎ早に運転…]]></description>
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            <title><![CDATA[御堂家の墓18]]></title>
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            <pubDate>Mon, 05 May 2025 09:35:00 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[お前たちは呪われてしまった。 
　もう五年も前に聞いたこの言葉が、いつも頭の中にこだましているのです。 
 
　結末から申し上げますと、私たちは父の生家には参りませんでした。 
　汽車と車を乗り継いでいく道を探したり、旅費がどのくらいかかるか計算したり、四人ともすっかり訪れるつもりでいたのですが、まず先方と約束をつけておいたほうがいいと明子が思いついて、電話をかける算段をつけていた矢先に、新しくわ…]]></description>
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            <title><![CDATA[御堂家の墓17]]></title>
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            <pubDate>Sun, 04 May 2025 13:26:28 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[三番目の訪問はお二人連れでございました。どちらも父よりお年が上の方でしたので、きっと何かを聞き出せるのではないかと明子も兄たちも耳をそばだてておりました。 
　果たして、期待は裏切られませんでした。お二人のうちより年上の方はすでに隠居なさっておいででしたが、父のことは御堂家の主に迎えられた当時からよくご存じで、若い父をよく支えてくださった恩人でもあったのです。 
　明子の報告によりますと、その方の…]]></description>
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            <title><![CDATA[御堂家の墓16]]></title>
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            <pubDate>Sat, 03 May 2025 08:32:41 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[そうなると、次に私たちが会って話すべきなのは、過去の父のことをよく知る人物です。 
　父がどのようにして故郷から帝都に来て、御堂家の婿に迎えられることになったのか、私たちは簡単な経緯しか聞いておりませんでした。なんでも、窮地に陥っていた御堂家の事業にふとした縁で知恵を貸し、破綻から救ったのが若き日の父だったそうでございます。その奇功への報いとして御堂家の当主の座に着き、総領娘であった母と結ばれるこ…]]></description>
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            <title><![CDATA[御堂家の墓15]]></title>
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            <pubDate>Thu, 24 Apr 2025 21:09:35 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[帰りの列車の中で、兄姉たちはあまり口を利きませんでした。 
　殊に兄たちは、何か言いたげな目を見あわせては、どちらからともなくそらす、というのを繰り返していました。そうした合間に、老婆が話してくれたことをぽつりと呟いたり、とりとめもない疑問を口にしたり、返事を求めているのかいないのか、意味ありげに沈黙するといった様子でした。 
　ほんの少しですが、私には二人の戸惑いが見えるような気がいたしました。…]]></description>
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            <title><![CDATA[御堂家の墓14]]></title>
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            <pubDate>Thu, 20 Mar 2025 21:16:45 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[しかしながら、母が来た当時のことを聞き出すことはできませんでした。今でこそこの土地には御堂家の別荘が建っておりますが、当時は商いの足がかりのために土地を買ったばかりで、若き日の母が身を寄せたのは近くの民家だったというのです。 
　私たちはもちろん、その民家の場所と主の名を尋ねて、四人でそこを訪れました。けれども思ったようにことは運びません。三十数年の間にその家も代替わりをしており、当時のことを知る…]]></description>
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            <title><![CDATA[御堂家の墓13]]></title>
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            <pubDate>Tue, 18 Mar 2025 21:08:21 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[私も今でこそ他人ごとのように話せるようになりましたが、十四になるかという当時は驚いて戸惑うばかりで、とても顔を上げてこのことに触れることはできませんでした。兄姉たちがいなかったら、私はきっとこの話を聞かなかったことにして、おしまいにしてしまったに違いありません。私たちを突き動かしていたのは、本当のことを知りたいという、ただそれだけでございました。それがどんなに恐ろしいことなのかも知らずに。 
　知…]]></description>
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            <title><![CDATA[御堂家の墓12]]></title>
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            <pubDate>Sun, 16 Mar 2025 21:01:16 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[思いあたるところがないわけでもございませんでした。母は父と一緒になるまでに、ずいぶん長く独り身でいたようなのです。 
　子どもは親の年齢などあまり気にかけないものでございますし、母はいつも若々しく美しかったので、私たちも深く考えたことはございませんでしたが、それでもお友達のお母様などと比べた時に、母が年をとっていることは朧気に理解しておりました。後から聞いた話によると、父と夫婦になったのは三十も半…]]></description>
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            <title><![CDATA[御堂家の墓11]]></title>
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            <pubDate>Wed, 12 Mar 2025 20:58:22 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[いいえ、今になってこそそのようにも感じられますが、この当時の私たちを占めていたものは、やはり自分が誰なのかわからないという不安でございました。父なし子ではなかったという事実も、私たちを少しも安堵させてはくれません。そればかりか、父の言った呪いの意味がまるでわからなくなったために、以前よりも心許ない、足場のない空虚に放り出されてしまったような心地でございました。 
　頼みの叔父が話してくれないのであ…]]></description>
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            <title><![CDATA[御堂家の墓10]]></title>
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            <pubDate>Fri, 07 Mar 2025 22:08:26 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[私はほとんど安心しそうになりましたが、明子のほうは生来のしっかり者ですから、この言葉だけで納得するはずがございません。小賢しいと思われかねないほどまっすぐな目で叔父の顔を見つめ、誰かが私たちを父なし子と呼んでいたのだと訴えました。 
　叔父はそれを聞くと、ちょっと慌てたように目をそらし、そして呟いたのでございます。父なし子というのはおまえたちのことではない、と。 
　明子の後ろで黙って聞いていた私…]]></description>
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            <title><![CDATA[御堂家の墓9]]></title>
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            <pubDate>Sat, 01 Mar 2025 21:03:45 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[それにしても、父の子でないとすれば、私たちはいったい誰の子なのでしょうか。叔父の敦治が頑として口を開いてくれないところを見ると、その人はよほど世間に顔向けのできないような人物、たとえば大罪を犯した悪党か何かであるのでしょうか。父はそのことを指して、私たちが呪われたなどと申したのでしょうか。 
　自分が誰の子であるかわからないというのは、たいそう気味の悪いものでございます。ここにこうしている自分自身…]]></description>
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            <title><![CDATA[御堂家の墓8]]></title>
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            <pubDate>Fri, 28 Feb 2025 22:36:03 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[不安な気持ちを少しでも静めたくて、私たちは四人で何度もこのことを話しあいました。父の言葉、叔父の様子、世間の方々の態度、そうしたものを寄せ集めて、思いつく限りのことを言いあってみましたが、誰も真相を言い当てることはできません。無理もないことでございましょう。手がかりはほんの僅かでしたし、私はもちろんのこと、兄姉たちもまだ子どもだったのですから。 
　それでも少しずつ年を重ねていった私たちは、ある時…]]></description>
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            <title><![CDATA[御堂家の墓7]]></title>
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            <pubDate>Tue, 21 Jan 2025 21:34:25 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[叔父が屋敷に移り住むことはございませんでしたが、私たちの様子をたびたび見に来ては、明子と私に珍しい西洋菓子を持ってきてくれたり、兄たちの相談に乗ってくれたり、時には自分の妻子を連れてきて私たちをお芝居やお花見に連れ出してくれたりもしました。私たちにとっては叔父こそが父のような存在でございました。 
　その叔父も叶えてくれなかったことが一つだけございます。母がなぜ自ら命を絶ったのか、父がなぜ自分の目…]]></description>
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            <title><![CDATA[御堂家の墓6]]></title>
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            <pubDate>Tue, 31 Dec 2024 21:29:10 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[お恥ずかしいことですが正直に申し上げます。私はそれが嫌でたまりませんでした。父のいる和館の部屋から抜け出して、大好きな洋館のほうにいたいと常に思っておりました。母がいた頃のように、学校の友人を招いておしゃべりしたり、お行儀悪く椅子に凭れて雑誌をめくったり、背伸びをして女学生のように髪を結ってみたりしとうございました。何よりそのすべてを明子と楽しみたかったのです。一つ違いの私たちは遊ぶ時も学ぶ時もい…]]></description>
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            <title><![CDATA[御堂家の墓5]]></title>
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            <pubDate>Mon, 30 Dec 2024 22:03:44 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[病院での治療が一通り済んで家に帰ってきてからも、父はほとんどあの晩と同じ調子のままで、放心したように椅子に項垂れていたかと思うと、俄に頭を抱えて苦しみだし、お前たちが不憫だ、お前たちは呪われてしまった、と同じことを何度も繰り返すのです。とりわけ明子と私の二人を憐れんで、可哀想な娘たち、不幸な娘たち、人並みの幸福は決して得られまい、と事あるたびに申しました。 
　私としましては、呪いのもととなった血…]]></description>
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            <title><![CDATA[御堂家の墓4]]></title>
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            <pubDate>Sun, 29 Dec 2024 22:09:11 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[私がそのことを知ったのは数日後でございました。母が逝った翌朝から私は高熱で寝ついてしまい、何日もベッドから出ることができませんでした。夢うつつに憶えているのは、姉の明子が側に付き添ってくれたことと、遠くに感じる物々しい人の気配だけです。ようやく起き上がれるようになる頃には、屋敷の中はすっかり落ち着いておりました。 
　あの夜に目にしたものは、すべて高熱が見せた悪夢だと思いたくもなりましたが、明子や…]]></description>
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            <title><![CDATA[御堂家の墓3]]></title>
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            <pubDate>Sat, 21 Dec 2024 21:55:54 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[階段を下りている途中で、また誰かの声が、今度は叫ぶというより呻くような声が、父と母の寝室から聞こえて参りました。 
　洋館の二階にも、一階から続く和館にも、当時から住み込みの女中が寝泊まりしていたはずです。なぜこの時に誰も起きてこなかったのか、また、私たちもなぜ誰かを起こそうとしなかったのか。いま振り返ってみてもよくわかりません。 
　ともかく、私たちは子どもだった私たちだけで、それを目にすること…]]></description>
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            <title><![CDATA[御堂家の墓2]]></title>
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            <pubDate>Sat, 14 Dec 2024 21:42:54 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[おわかりでございましょう。三人の兄姉たちに比べますと、末の私は見るべきところもない、ほんのみそっかすでございます。 
　いいえ、僻んで申しているのではございません。私は私自身に満足しておりました。父などは取り柄のない子がかえって可愛いのか、末の私をとりわけ慈しんでくれたように思います。兄たちも礼子礼子と言って私を甘やかし、姉は年下の私の面倒をよく見てくれました。そして母は、私たち四人に溢れんばかり…]]></description>
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            <title><![CDATA[御堂家の墓1]]></title>
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            <pubDate>Fri, 13 Dec 2024 21:46:02 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[御堂礼子、明治三十二年生まれの満二十三、間違いございません。 
　五代目御堂家当主嘉成の次女、末娘でございます。 
　はい、兄が二人、姉が一人おりました。お聞きになりたいのはきっと、この兄姉たちのことでございましょうね。 
　世間で言われていることは承知しております。御堂家の四人兄妹は呪われていた、というのでしょう。 
　いいえ、お気遣いは無用でございます。 
　と申しますのも、世間の方々が私ども…]]></description>
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            <title><![CDATA[緋姫求婚譚57]]></title>
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            <pubDate>Sun, 01 Dec 2024 21:04:30 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[「姫さまはまだ、誰にも会いたいとは思わないんですか」 
「……そうね」 
「いっそのこと、全員に会うんじゃ多すぎるんですか」 
　なつの言葉にわたしは文箱を見下ろした。 
　六人の方すべてにお会いするというのは、わたしも考えないわけではなかった。お会いして、わたしが六人の中からどなたかを選ぶというより、六人の殿方にわたしをご覧いただけば良いのではないかと思ったのだ。わたしに失望して見限る方も現れる…]]></description>
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            <title><![CDATA[緋姫求婚譚56]]></title>
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            <pubDate>Sat, 23 Nov 2024 22:21:27 GMT</pubDate>
            <description><![CDATA[六位の蔵人さまの文は前回と同じく、返事を受け取ったことへの素直な喜びと、わたしへの純粋な興味に溢れていた。さらに身近で起きた面白いできごとや、風物に関するご自分の考えなどを、愛嬌たっぷりの言葉で綴ってあり、何度も読み返しても飽きない。わたしを楽しませようとしてくださっているのが紙を通して伝わってくる。 
「なつも読んでみる？」 
　わたしは紙を傾けてなつに見せた。以前の文と同じく、用いている文字も…]]></description>
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