結婚記念日には毎年スワロフスキークリスタルの小さなフィギュリン(置物)を買っている。スワロフスキークリスタルというのは透明度の非常に高いガラス製品のことでビーズなどアクセサリーパーツでも良く知られているものである。
本当は年末だったのだが、見に行った店舗にちょうどいいものがなくて、年明けになってしまった。
買うようになったのは夫の提案。毎年何か記念に残るものを、ということだった。私がどこかでショーケースのクリスタルを眺めていたので思いついたようだ。スワロフスキーはスワンがシンボルマークで鳥好きの私には良いだろうとのことだった。私はこのアイデアに乗ることにした。
最初は鳥モチーフの小さく手頃なフィギュリンを買ったのだが、鳥は手が込んでいるせいか、大きくて値のはるものが多く、だんだん鳥と関係なくかわいいと思ったものを買うように。玄関に小さいコレクションケースを買って並べている。
結婚から時間が経ってコレクションケースは賑やかになった。天井のライトをつけるとキラキラと輝く。ゴールドでも積み立てれば良かったか、なんて現実的なことも考えなくはないが、この年数分の輝きを見ていると、色々ありながら今も共に過ごしていられるのはこうして一年一年を確かめてきたからなんだなあと思える。
うまくいく時ばかりではない。健やかなる時も病める時も、である。肩を並べて前を向いて歩いてきた、その自信を輝くクリスタルが表してくれているんじゃないかと思ったのだった。
段々と値も上がっているし飾る場所も無くなるので周年記念でこのコレクションは終わろうかと思っている。新しく何をしようかと思案する。私も考えているが現実的なことしか浮かばない。
夫がまた素敵なアイデアをくれるんじゃないかとちょっと期待している。