プロデューサーの責任

池田大輝
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公開:2026/5/4

私は恋愛ゲームをつくっている。これまでに3作品をリリースした。が、いろいろとうまくいかないことも多く、申し訳なさを感じている。ゲームをプレイしてくれたユーザーや、作品に関わってくれた人への申し訳なさもさることながら、いちばん申し訳ないと思っているのはゲームのキャラクターに対してだ。

これまでの作品に登場した主なキャラクター(グラフィックが用意されているキャラクター)は10名以上にのぼる。みんな、心を込めてイラストを描いたし、声優さんにも声を演じていただいた。にもかかわらず、ほとんど認知されていない。あまりにも申し訳ない。キャラクターから見れば、せっかく映画に出演したのにプロデューサーが全然宣伝してくれないような状況である。わけあって去年末までは宣伝どころではなく、今年に入ってから状況を改善するために、新作を大急ぎでつくっている。

宣伝はプロデューサーの大事な仕事だ。それができていないのは、私にプロデューサーとしての自覚が足りないからだ。足りないというか、少し前までは自分がプロデューサーだとは全く思っていなかった。プロデューサーを名乗ったこともない。宣伝は誰かがやってくれるものであり、そのために作品づくりに全力を尽くすのが私の仕事だと思っていた。

それは、必ずしも間違いではない。いくら宣伝したところで、作品が悪ければ意味がない。逆に、良いものをつくれば、誰かが勝手に宣伝してくれる確率はわずかとはいえ上がるだろう。だから、宣伝がすべてではない。むしろ、良い作品をつく(り続け)ることこそが、最大の宣伝だと思っている。

それでも、というか、だからこそ、作品の失敗はプロデューサーの責任なのだ。どこにボトルネックがあったにせよ、うまくいかなかったのは事実であり、それに責任を負うのは作品をつくろうと決めた人、つまり私である。

誤解しないでほしいのは、プロデューサーとしての責任を負うことを、私は嫌だとは思っていない。むしろ、うれしいとさえ感じる。もちろん、お金だとかスケジュールだとか、大変なことはとても多い。本当に、本当に多い。あれこれ試行錯誤してみても、うまくいかないことばかり。本当にうんざりする。

それでも、みんなをちゃんと宣伝してあげたい。みんなを最高の舞台に導いてあげたい。そのためならなんだってしたい。いまつくっている新作だって、別につくる必要なんてない。誰かに求められたわけでも、契約を結んだわけでもない。それでも、やらずにはいられないのだ。責任という言葉に、これほど胸が躍ることはない。本当に、うれしくてたまらないのだ。

プロデューサーとしては半人前、というか、全然だめである。お金に疎いし、押しに弱い。無力な自分が嫌になる。それでも、やらなきゃいけないんだよ。キャラクターのみんなは、もしかしたら、そんなことを望んでいないかもしれない。そっとしておいてくれと思っているかもしれない。けれど、池田Pと出会ってしまったのが運の尽き。みんなには、まだまだ働いてもらうよ。プロデューサーはひとりでは何もできない。だから、どうか力を貸してくれ。

@radish2951
恋愛ゲームをつくっています。毎日21時頃にエッセィを更新しています。恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』をよろしくお願いします。 daiki.pink