一人からチームへ、ということを最近は強く意識している。一人では行けない場所へ行くために。私は一人でいても面白くない人間だ。2年くらい前、サンミュージックがお笑いの無料塾を開設していて私は一期生として参加した。何人かの人たちとお試しで漫才やコントをして、キングオブコントにも出場した。のだけれど、最後のネタ見せは結局一人でやった。一人でネタをやっていて、なんだか虚しかった。創作活動をしていても、一人の限界をつくづく感じる。だから、いろんな人に声をかけて、少しずつチームでやろうとしている。
でも、チームも簡単じゃない。方向性の違いとか仲間割れとか、その段階にも行っていない。どうやって人を巻き込めばいいのかわからない。学生の頃はあまり苦労せずできていた。大学に入った頃から難しさを感じることが増えてきて、社会人になったときにはほぼ一人だった。一人でやりたくてやっているわけじゃないのに。
気軽に声をかければ良いのか? それはすでに試している。話くらいはとりあえず聞いてもらえる。ただ、そのあとが続かない。たぶん、席を用意できていないからだ。新入社員を雇っても、デスクがなければ働きようがない。あなたにはこういうことをしてほしいんだよ、とちゃんと伝える必要がある。
果たしてそうだろうか? 会社ならデスクくらい用意すべきだと思うけれど、これはチームだ。雇用関係でも主従関係でもない。二人三脚という言葉がある。デスクがないのなら、力を合わせてつくれば良い。丁寧にお膳立てしてしまったがゆえに、お客の気分でやって来られては困る。困るというか、お互いに不幸ではないか。
お客の立場でチームに参加した経験が私は何度もある。なんとなく思うのは、私はチームに加わる才能がない。チームをつくるよりも、チームに加わるほうが下手だと思う。もちろん、あえて和を乱すようなことはしない。ただ、なんというか、それどころじゃない、と思ってしまうのだ。
私にはやるべきこと、つくるべきものがたくさんあり、それらを実現するために生きている。だから、極端にいえば、それ以外のことに興味がない。私は新海誠監督のファンで、たいへん尊敬しているけれど、新海さんのスタジオで働きたいと思ったことは一度もない。あえて避けているとかでもなく、そもそもそんな発想がなかった。この会社で働きたい、と思った会社もない。だから、新しい仕事を探すたびにとても苦労する。「お金が欲しい」以外に志望理由がないからだ。
つまり、私がチームづくりに苦戦している理由の一つは、チームメンバーの気持ちを想像できないからだ。一緒にやりたいと言ってくれた人がいたとして、なぜそう思ったのか理解できない。チームづくりが簡単じゃない、という私の認識さえも幻覚である可能性がある。本当はいろんな人が興味を持っているかもしれないのに、私にはそれが見えていない。だとしたら、あまりにも申し訳ない。
どのような形であれ、私についてきてくれる人はいる。それは疑いようのない事実だ。報酬の有無とか立場の違いとか、いろいろあるけれど、私のやりたいことに賛同して、力を貸してくれる人が本当にたくさんいる。これを読んでいるあなただってそう。まさに「見えない協力者」だ。いや、あえて「見えないチームメンバー」と呼ばせてもらおう。それくらい図々しくあるべきなのだ。いないことにされるよりはマシでしょう?
見えないものはどうしたって見えない。ただし、見えずとも存在するものがあることを、幸いにして私はよく知っている。私が理系じゃなかったら、あなたを幽霊扱いしていただろう。安心して。幽霊ともAIとも思っていない。同じ言葉を他の「見えないチームメンバー」たちにもかけてあげよう。という結論に至ることができたのは、ほかでもないあなたの貢献である。