嫉妬させてくれる人

池田大輝
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公開:2026/1/10

今日、チェンソーマンの映画を観てきた。面白かった。PG12で大丈夫なのか心配になるくらいエッチだった(小学生くらいの少年が親と一緒に来ていてハラハラした)。

ところで、藤本タツキ先生は秋田県の出身である。私は秋田市の出身で、タツキ先生は県南の出身らしい。年齢が近いこともあり、妙に意識してしまう。もちろん、お会いしたことはない。

映画を観て、少し嫉妬した。藤本タツキ原作の映画は『ルックバック』と、今日の『チェンソーマン レゼ篇』を観た。いずれの作品でも、少しずつ嫉妬した。めちゃくちゃ嫉妬したわけではない。それは、たぶん、目指している方向が割と違うからだと思う。似たことをやっている人には、もっと嫉妬する。たとえば、『冴えない彼女の育てかた』の主人公・安芸倫也とか。あれはギャルゲーをつくるお話だ。劇場版の『冴えない彼女の育てかた Fine』を観て、私もギャルゲーをつくり始めた。漫画を描きたいとは、今のところ思っていない。

嫉妬させてくれる人というのは、案外少ない。あるいは、昔はもっと嫉妬していた気がする。いろんな人が羨ましく見えていた。みんな、自分が持っていないものを持っているように思えた。それは、ある意味では当然である。人はみんなそれぞれ違う。という当たり前のことが、大人になるにつれてわかってきた。

たとえば、昆虫には誰も嫉妬しない。あまりにも違いすぎるからだ。嫉妬できるのは、それなりに似ているからである。藤本タツキ先生とは、出身地と年齢が似ている。映画が好き(らしい)という点も、多少、似ているかもしれない。これくらいの条件が揃うと、嫉妬心がふつふつと湧いてくるようになる。

そう思うと、嫉妬できる相手というのも、貴重な存在だ。他人のことなど気にせずに、自分のやるべきことを淡々とやる。それが正しいのはわかっているけれど、でも、あいにくそこまで大人じゃない。嫉妬心を抑えることはできても、無かったことにはできない。むしろ、せっかくの貴重な感情なら、できるだけうまく利用したい。たとえば、私がもう少し売れれば、秋田出身の若きクリエイター枠のような形で呼んでもらえるかもしれない。秋田出身で売れている人を私はあまり知らない。チェンソーマンほどのヒットを目指すのは難しいだろうけれど、そこそこのヒットでも呼んでもらえる可能性はある。地元・秋田で凱旋トークイベントも悪くはない。という妄想は、嫉妬心がなければ生まれないものだ。嫉妬させてくれる人というのは、ありがたい存在だ。ある意味で、手を差し伸べてくれているともいえる。

@radish2951
恋愛ゲーム作家。毎日21時頃にエッセィを更新しています。恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』をよろしくお願いします。 daiki.pink