無力な私にできること

池田大輝
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公開:2025/11/15

日々を生きれば生きるほど、私という人間の無力さを感じる。あれができるとか、これができないとか、そういった個別の話ではない。とにかく、世界、あるいは他人に対して、私はほんとうにちっぽけで、ほとんどゼロみたいな存在であって、私がなにを為そうが、為すまいが、世界はなにも変わらない。

仮に、たとえば、私が新宿駅前で路上ライブをして、1000人の観客が集まったとして、それは私の歌声によるものなのか、新宿がそういう街なのかを区別できない。誰かが心を震わせたとして、それは私が歌ったからなのか、曲が良かったからなのかを区別できない。ファンがついてくれたとして、それは私の力ゆえなのか、偶然なのかを区別できない。それくらい、無力なのだ。

@radish2951
恋愛ゲーム作家。毎日21時頃にエッセィを更新しています。恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』をよろしくお願いします。 daiki.pink