生存報告エッセィ

池田大輝
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公開:2026/1/7

高校生の頃、実家が遠いという理由で学校近くのアパートに住んでいるクラスメイトがいて、彼は、親から「空メールでいいから毎日メールしろ」と言われていたらしい。このエッセィも、生存報告という意味では似たような機能を果たしているな、と思った。報告すべき相手がいるわけではないけれど、とはいえ、毎日なにかしらを書いているという事実が、ネットの海に沈殿している。1年以上続けているから、仮に1週間くらい更新をやめた場合、なんとなく不安に感じる人がいるかもしれない。生存報告を続けていると、それが止まることが死のアラートとして機能するようになる。予告なしにエッセィの更新が3日ほど止まったとしたら、ほぼ間違いなく、危険な状況にあるといえる。そんな状況にはなりたくないなあ。

エッセィを書き始めてから、生活がいくぶん安定した。長期的に物事を考えられるようになった。コンスタントに続けることのありがたみがわかってきた。コンスタントであることの利点は、予測がしやすいことにある。今のペースから未来を予測して、目標との差分をとって、目標を達成するためにどうすれば良いか、軌道修正することができる。エッセィを書くようになってから、創作のペースも安定してきた。とにかく、良いことづくめである。

そして、なによりもありがたいのが、こうした安定が、いわゆる前フリになることだ。ゾンビ映画には必ず、ゾンビ化する前の平穏な日常が描かれる。これは、それである。お笑いも同じ。前フリが丁寧であればあるほど、一発目のボケが面白い。さて、平穏な日々はいつまで続くことやら。答えを知っているのは脚本家だけ。私はまだ、知らされていない。面白い映画になりますように。

@radish2951
恋愛ゲーム作家。毎日21時頃にエッセィを更新しています。恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』をよろしくお願いします。 daiki.pink