さて、タイトルを見てこれを読もうと思ったあなたは、私を振り回している自覚があるのか、それとも、私を振り回す存在について気になって仕方がないのか。
振り回されるのは嫌いじゃない。振り回されたり、巻き込まれたりするのは楽しいと思う。もちろん、状況や程度にも依る。他人を振り回すのはあまり得意じゃない。結果的に振り回してしまうと、申し訳ない気持ちで一杯になる。振り回されるほうが、性に合っている。
「もしかして私のこと?」と思っても、どうか尋ねてこないでほしい。尋ねても構わないけれど、「どうでしょう…笑」としかお返事できない。
これは、ある種のトレーニングである。振り回されるためには、振り回されない胆力が必要になる。リアクション芸人が、本気で嫌がっていては仕事にならない。良いリアクションをするためには、まずはどっしりと構えて、あらゆるものを受け止めなければならない。
振り回すよりも、振り回されるほうが向いている。ただし、それは簡単に振り回せることを意味しない。私を簡単に振り回せると思ったら大間違いだ。ハンマー投げをイメージしてみてほしい。簡単に見えて、ものすごいパワーが要るだろう。重いからこそ、振り回し甲斐があるというものだ。別に、深い意味はない。
ならば、と、パワーショベルに乗り込んで、私を持ち上げ、無茶苦茶に振り回す人がたまにいる。そこまでやられると、さすがに面白い。パワーショベルの回転速度は、あの図体の割に速い。高速でぐるぐる回るパワーショベルを見ていると、とても愉快な気分になる。あなたに振り回されているときも、似たようなことを思っています。