過集中になりやすい

池田大輝
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公開:2025/5/6

ここ数日はずっとプログラムを書いていた。ゲームを配布する際、アップデート機能やインストーラを実装したくて、とはいえ、自前でやろうとすると大変だから、便利なソフトウェアがないか探して、手頃なものを見つけた。ほぼそのまま使える便利なものだけれど、多少のカスタマイズがどうしても必要で、この「多少」の部分に丸々1〜2日を費やしていた。

プログラムを書いていると1日があっという間に終わる。昨日は18時間ぶっ通しで作業をしていた。いわゆる過集中というやつだと思う。

絵や文章を書いているとあまりこうはならない。さすがに18時間ぶっ通しでイラストやシナリオは書けない。というか、創造的な作業はかなり頭を使うから、体感としては1日4時間程度が限界である。それ以上は思考停止のただの作業ゲーになる。作業ゲーで済む作業はそれで良いが、頭を使う作業は1日4時間が限界。プログラミングは頭を使わないのか、と疑問に思われるかもしれないけれど、私にとってプログラミングは作業ゲーに近い。コードを書いて、テストして、バグが出て、バグの原因を特定して、修正する。これを延々と繰り返す。バグの特定なんかはほとんどAIがやってくれる。便利な時代になったものだ。

「時間を忘れるくらいに没頭できるものが天職だ」という説がある。たしかに、わからなくはない。それでいくと、私はプログラマが天職である。うーん……プログラムを書くことが特段好きなわけではない。もし、プログラマとして稼げるのなら、副業としてやってみるのは悪くないと思う。ただし、最近はAIがかなりコードを書いてくれる。作業ゲーしかできないプログラマは仕事がなくなっていく。では、なにが残るのかといえば、課題を特定して、AIに解かせる「問い」を見つける仕事だと思う。これは、ある意味では、文章やイラストのような「創造的な」タスクに近い。とにかく、徹底的に、考える。ゼロから考えることはAIにはできない。考えることの価値が増していく。過集中モードで手を動かすことは、趣味的なものになるだろう。仕事で妄想し、趣味でそれを形にする。数年後の理想的な働き方である。

@radish2951
恋愛ゲーム作家。エッセィを毎日更新しています。恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』をよろしくお願いします。 daiki.pink