「災い転じて福となす」かと思って調べたら、どうやら「禍を転じて」のほうがより原典に近いらしい。今年は本当にそんな年だった。生きるだけでも大変で、いろんな人に迷惑をかけて、情けない姿を晒して、それでもなんとか生きていたら、たまたま、大変ありがたい幸運に恵まれて、いま、こうしてエッセィを書いている。禍については(まだ)書きたくないことが多いけれど、福については、この際だし、少しだけ書こう。
今年の前半は、とにかくお金がなくて、ゲーム会社やアニメ会社、その他エンタメ系企業に応募しまくったけれど、全然だめだった。そんな中、幸運なことに、とある国立研究機関に研究員として拾っていただいた。大学名に救われた、と思っていたら、どうやら、それだけではなかった。その職場における私の仕事は、簡単にいえばシステムエンジニアである。今まで外注していたシステムを、内製でつくり替える。インディゲームをつくっていた経験が、ここで生きた。手を動かして、ちゃんとものを形にできることが評価された(らしい)。
そこに就職してから、いろんなことがうまく回り始めた。千葉よりも安い家賃で新宿に住めるようになったし、かつての恩師(たち)にもお会いした。新しい出会いも増えた。これからは、もっと増えていくだろう。
人生は、本当になにが起こるかわからない。とりあえず、今は福寄りだけれど、ずっと福が続くとも限らない。禍福は糾える縄の如し。また、そのうち禍がやってくるだろう。禍を楽しめるくらい、余裕のある人生を送りたいものだ。禍を転じて福となす。じゃあ、来年は福を転じて……なにをしよう?