面白がる才能

池田大輝
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公開:2026/6/17

面白いものをつくるよりも、面白いかどうかわからないものを面白がることのほうが難しい。バラエティ番組の画面の右上でタレントが大袈裟なリアクションをしているのは、笑うべきタイミングを視聴者に伝えるため、つまり面白がる才能がない人に向けた配慮である。オタクと呼ばれる人たちは、面白がる才能を持っていると私は思う。一般的ではないニッチな対象を面白がり、好きでい続けることは、本人が思う以上に難しいことなのである。私はこの才能にやや乏しく、だから創作をしている節がある。面白がるよりも、面白がってもらうほうが向いている。もちろん、これは、面白いものをつくることができる、という意味ではない。面白いかどうかは、作り手ではなく受け手が決めることであり、なんなら決める必要すらないことである。創作とは、往々にして無から何かを生み出す営みであるけれど、それを面白がることは、実はほとんど同じことなのだ。面白いものは世界に無数にある。情報で埋め尽くされ、存在意義を見失ってしまいそうな世界において、他人の評価など意に介さず、面白いと思ったものを面白いと思うことは、紛れもない才能であり、究極の自己満足であり、最も純粋な幸せの形のひとつである。

@radish2951
恋愛ゲームをつくっています。毎日21時頃にエッセィを更新しています。恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』をよろしくお願いします。 daiki.pink