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期待に応えようとしてしまう癖

池田大輝
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公開:2026/8/24

小さい頃からの優等生気質がまだ少し尾を引いている。テストで良い点を取れば先生が褒めてくれる。高得点が当たり前になると、少し下がっただけでがっかりされる。だから良い成績を維持しなければならない。そうやって、誰かの期待に応えることを最優先に考えてしまうと、たいてい悪い方向に物事が進む。あらかじめ期待値を下げることは、大人な対応のひとつだと思う。これくらいしかできません、とハードルを下げておいたうえで、実際にはそれを少し超えてみせる。すると相手も満足して、良好な関係を維持することができる。と、理屈ではいくらでも語れるものの、これができた試しがない。なんとなく、相手を騙しているような気がする。ハードルを下げるどころか、ぶち上げてしまいがちだ。ビッグマウスというやつである。ハードルを上げれば上げるほど、自分の首が締まっていく。それをわかっているはずなのに、ハードルを上げずにはいられない。自分で言うのもなんだけれど、サービス精神の塊のような人間である。期待に応えることに慣れすぎて、期待値を自分で上げ続けなければ気が済まない体質になってしまったのだ。大人の期待が生み出した哀しきモンスター。二度と人間の姿に戻ることはできない。自分自身を生贄とし、強化された複製を生み出す。着地点を見失い、無限に上昇するカオスの螺旋に飲み込まれ、やがて消えゆく運命を待つ。それは果てしない漸近であって、自由を約束してはくれない。無意味な言葉でいっぱいの棺は、朽ちるまで大海を漂うだろう。果たして祈りは届けられず、正しい虚無へと還るのだ。

@radish2951
恋愛ゲームをつくっています。毎日21時頃にエッセィを更新しています。恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』をよろしくお願いします。 daiki.pink