今日は疲れた。今日と言っても、このエッセィが公開されるのは今日ではないと思う。いくつか書き溜めておいて、毎日21時頃に、ストックの中から適当なものを選んで公開している。これがいつ公開されるかはわからない。これを書いているのは、2025年4月5日土曜日の午前1時14分である。
疲れていると、文章が上手く書けない。上手く、というのは、上手い文章の「上手い」とは少し違う。頭の中にある考えをストレートに文字に変換できる状態を「上手く書ける」と定義している。これは私の定義だから、強要するつもりはない。それに、定義は一つじゃなくてもいい。いま、この瞬間に、便利だと思ったから、その定義を採用したまでだ。いろんな定義があり得ることは、数学をやっているとよくわかる。
なんの話だっけ。そうだ、上手い文章について。上手い文章を書ける人はすごいなあと思う。ここでの「上手い」は通常の意味での「上手い」である。上手い文章は、私には書けない。上手く書こうとしても、どこか微妙になってしまう。上手く書こうとしたことが見透かされてしまうのだ。それは、ちょっと、恥ずかしい。丁寧に仕組まれたミステリィとか、本当にすごい。ああいうものを書ける人の頭の中はどうなっているのだろう。などと言いつつ、実は、ミステリィはそんなに読まない。というか、本もそんなに読まない。森博嗣をいくらか読んだくらいでミステリーをミステリィと書いてしまうくらいにはミィハァである。
このように、疲れていると、とりとめのないことを延々と書いてしまう。頭はなにも考えず、手が勝手にキーボードを叩いている。物語を書くときはキャラクターが勝手に喋るけれど、いまは手が勝手に動いている。手は思考を持たないから、本当に、ただランダムな文字列が生成されているのと変わらない。というのは、ちょっと嘘である。ここまで書いて、手が止まった。ランダムな文字列か、へえ、と思って、じゃあ生成AIはどうか、とか、自然はランダムか、とか、そういうことをあれこれと考えたけれど、そのような話は書くと長くなりそうだからやめておくか、と、早くこれを書き終えて眠りたい私の脳が横槍を入れたのだ。
そろそろ終わりにしよう。ここまでで、だいたい1000文字である。1000文字を超えると、長いなあと思う。書いているときは思わないけれど、読んでいると思う。長いのはみんな、嫌だよね。そうじゃない? そこは、嫌だと言ってほしい。あなたが嫌だと言わないせいで、こうしてダラダラと長引くのだ。ほら、また手が止まった。書かなくてもいいことを無理に書こうとしているこの時間は、呆れるくらいに無駄である。これを読んでいるあなたの時間も同じくらい無駄だ。いや、果たしてそうだろうか? 本当に無駄なものなどあるのだろうか? このわずかな時間さえも無駄だというのなら、生きていることはほとんど無駄ではないか。無駄に生きて、無駄に死ぬ。無駄な死を、無駄に悲しみ、無駄に葬儀費用を払う。そうだ、この際だから言っておくけれど、私が死んでも葬式などしないでほしい。この文章を読むことの1243倍無駄である。1243という数字の意味を考えることのほうがよっぽど有意義だ。葬式をするくらいに私の死が惜しいのなら、死ぬ前にそれをもっと伝えてほしい。死なないで、生きていてって言ってほしい。そういうことを死んでから言われるのは、なんか、こう、たいへんムカつく。言いたいことがあるのなら、生きているうちに言ってください。
さて、そろそろ寝よう。そういえば……って、これ以上長引かせるつもりか。もはや嫌がらせである。まあいいや。えーと、そうそう、二度寝について。二度寝をしたときに見る夢は、面白いものが多い。起きなければならないという過酷な現実から逃避するために、脳が必死に面白いストーリーを考えてくれるからだ、というのが私の持論である。この説には結構自信がある。物語を書きたいのなら、二度寝をしよう。で、そう考えると、いまのこの状態は、二度寝の逆である。深夜テンションとも違う。眠りたくなくて、現実に留まるために生成される、脈絡のない思考。二度寝と似ているようで、やはり違う。この状態で良い物語は書けない。キャラクターの声を聞き取るためには、集中力が必要なのだ。誰かを救うためには、自分自身を救わなければならないのに似ている。私が幸せでないのに、あなたを幸せにすることはできないのだ。
ああ、幸せになりたい。というか、いまはそこそこ幸せだ。だから、正しく言い換えれば、この幸せを維持したい。つみたてNISAくらいのゆるさで、この幸せを積み立てていきたい。それがどれだけ幸せなことか、思い知るのはずっと先だろう。さあ、一緒に幸せになろう。私の幸せはあなたの幸せであり、あなたの幸せは私の幸せだ。もう、半分くらいは夢だ。この夢とは、どっちの意味の夢だろう。文章を書きながら眠りにつく。こんな贅沢は滅多にない。素敵な時間をありがとう。あなたにも素敵な夜が訪れますように。