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キャラクターに命を捧げる

池田大輝
·
公開:2026/8/21

物語を書いていると、キャラクターのためならなんでもしたいと思えてくる。文章が下手なせいで、キャラクターが気持ちをうまく表現できないのなら、もっと上達したいと思う。宣伝が足りないせいで、キャラクターの活躍の場がないのだとしたら、もっと宣伝しようと思う。フィクションの世界はどこまでも自由だけれど、自由は勝手に生まれてこない。作者がキャラクターに自由を与えなければならない。それは簡単なことじゃない。それなりの時間や労力を注いで、やっと多少の自由が生まれる。それでも、多少、だ。世界の広さに比べれば、作者の頭の中なんて、ほんのちっぽけな砂粒に過ぎない。力が及ばず、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。だとすれば、できる限りを尽くすほかにない。キャラクターのために時間を使い、キャラクターのことを考えて、その気持ちを、思考を、理解しようとしなければならない。実在の人間と同じように、理解し切ることなんて絶対にできない。それでも、だからこそ、向き合い続けなければならないのだ。それは、命を捧げるということにほかならない。世界は果てしなく広いのに、時間はあまりにも有限だ。誰のためにその時間を使うのか。物語を生み出してしまった以上、選択の余地はほとんど残されていないのである。

@radish2951
恋愛ゲームをつくっています。毎日21時頃にエッセィを更新しています。恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』をよろしくお願いします。 daiki.pink