いま、旅先の宿でこのエッセィを書いている。創作仲間たちと合宿の最中である。幸いにして、とても充実した合宿となっている。充実し過ぎて、エッセィのネタが思いつかない。心が満たされると、わざわざこのようなものを書く必要がなくなるのだな、ということがよくわかった。
結婚したら、少なくとも今よりは充実した日々を送ることになるだろう。そうなったときに、私の人生の大部分を占める創作活動を辞めることになるのか。数年前まで、恋人と付き合っていた頃を思い返すと、創作に充てていた時間は、今の1割くらいだったと思う。デートだとか、LINEだとか、そのようなものに時間のほとんどを費やしていた。
結婚して、家族ができたら、当時よりもさらに創作に使える時間が減るだろう。でも、創作を辞めることはない。なぜか。私と結婚したいと思う人がいるとしたら、私の創作に魅力を感じる以外に理由がないからだ。つまり、創作を抜きに結婚を語ることはできないということ。もし創作を辞めるとしたら、それはすなわち離婚の危機を意味する。
同様に、私も、創作をする人と結婚したいな、と思っている。別に必須の条件ではないけれど、なんとなく、そのほうが楽しそうだな、と思う。大好きな人と一緒に創作ができる。なんと幸せなことか。創作をしながら結婚について話したりしていると、そのような未来も案外簡単に想像できたりする。