仙台という街について

池田大輝
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公開:2025/5/18

仙台には妙に思い入れがある。まずは、私が秋田出身であること。秋田の人ならわかると思うけれど、東京の大学に進むよりも東北大学に進むほうが秋田県民にとっては偉業だ。実際、東北大学の友人も多い。大学生の頃は青春18きっぷで何度も仙台に行った。10回は言い過ぎ? でも、体感としてはそれくらい。次に、妹が仙台に住んでいた。数年前、妹の大学の卒論の手伝いのために1週間ほど泊まりがけで仙台に行った。その際、仙台をあちこち見て回った。妹は無事卒業できたので、行った甲斐があった。あとは、私の好きなクリエイターや作品のいくつかが、仙台にゆかりがある。映画監督の岩井俊二監督は仙台市出身で、『ラストレター』は仙台市と白石市で撮影されたという。岩井俊二監督にはNHKの番組で実際にお会いしたことがある。直接、作品を講評していただいた。そのときのアドバイスが今の私を形作っていると言っても過言ではない。『さくらいろテトラプリズム』にご出演いただいている声優の吉岡茉祐さんは、仙台が舞台のアイドルアニメ『Wake Up, Girls!』で有名だ。お声がけした時点では、私はWUGを観たことがなかった。ゲームをリリースしたあとに劇場版とアニメを一気に観てファンになった。

来るたびに良い街だなと思う。家を建てるなら、仙台が今のところの第一候補だ。地元・秋田に戻りたい気持ちもなくはないけれど、秋田はそのうち滅びるだろう。家を建てるにはやや心許ない。熊も出るし。仙台は秋田ほど熊は出ないと思う。

そんなところだ。いろいろな理由があって、なんとなく好きな街である。なんとなく好き、というところがポイントだ。決定的な理由は無いほうが楽しい。大事なことほど直感で決める。それ以上の理由は要らない。

@radish2951
恋愛ゲーム作家。エッセィを毎日更新しています。恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』をよろしくお願いします。 daiki.pink