どうやら私はスーパーマーケットという空間が大の苦手なようである。人の多い場所が得意ではない。スーパーは狭い陳列棚の隙間に人がひしめき合っている。子供は走り回っているし、みんな慌ただしそうである。イケアなんかは嫌いじゃない。通路が広いし、お客さんもせかせかしていない。広いぶん、人口密度も低い。広い場所は好きだ。
あとは、食材を見ても全然心がときめかない。たぶん、食に興味がないのだと思う。外食をしても全然チャレンジしない。松屋では通常の牛丼しか頼まないし、マクドナルドではてりやきバーガーセットかビッグマックセットしか頼まない。平日のお昼は職場のランチ定食で比較的バランスの取れたものを食べているから、健康面では問題ない。何を食べても満足できるから、自分が食べたいものをつくるという発想にそもそも至ることがない。
そんなのは当たり前で、みんな節約するために頑張って自炊してるんだよ、という反論が聞こえてきそうだ。それなりに自炊を頑張って、1日1000円節約したとする。毎月3万円の節約だ。3万円を節約するのと、3万円を稼ぐのではどちらが簡単か、という話になる。このあたりは人に依るだろう。給与が固定されていて、どれだけ働いても収入が増えない人は、支出を減らすほうが合理的である。私がこうしてエッセィを日々書いているのは、長い目で見た投資のようなものであって、これを書くための30分を自炊に充てようとは思わない。
以上の要因が組み合わさって、私を自炊から遠ざけているのだと思う。少し前にも書いたけれど、料理自体は嫌いじゃない。実家にいた頃はそれなりに料理をしていた。けれど、それは、誰かが食べてくれるからであって、自分で食べたいからではなかった。誰かが食べてくれるなら、喜んで料理するだろう。このエッセィだって、あなたが読んでくれるから、こうして喜んで書いているのだ。