才能を見出すことは、結構難しいことだと思う。すでに売れているものを見て、あれ面白いよね、と言うことは誰にでもできる。発掘される前の才能に対して、それを認めるのは至難の業だ。明らかに突出した才能ならば、誰かが先に目をつけている可能性が高い。明らかでない才能ならば、それを評価することは当然、難しい。才能を見出すことは、それなりの特殊能力だといえる。誰もがそれをできるのならば、広告業は成立しない。各々が各々の目利きで、良いと思ったものを買えば良いからだ。それができない人のために、広告というものはある。才能を評価する、と書いたが、個人的には、才能に惚れる、という表現を好む。誰かを好きになることは、実は結構難しいのではないか、と思っている。誰に紹介されるのでもなく、マッチングアプリでいいねをもらうのでもなく、ただその人に惚れたから、ただその人を好きになる。最もプリミティブな恋は、最も難易度の高い恋だ。「どうして私を好きになったの?」と訊かれても答えはない。ただし、答えないとそれはそれで面倒が生じるので、何か気の利いた答えを用意しなければならない、というところまで含めてきわめてハードモードといえる。
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