キャラクターの名前を考えることは、創作において最も楽しい工程の一つである。キャラクターの名前は、いつも時間をかけて決める。意味、響き、文字にしたときの見た目。2024年にリリースした恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』のヒロインの一人・桐咲春花の名前は、個人的にかなり気に入っている。ぱっと思い出せるだけでも、少なくとも3つの意味がこの名前には込められている。キャラクターの名前を考えるために創作をしている、というのは言い過ぎだけれど、あながち間違いではない。
仮に結婚するとして、子供が欲しいかと問われると返答に困るけれど、子供の名前を一緒に考えてみたい、とは思う。その気持ちは、創作におけるそれとほとんど変わらない。
名前を与えることは、とても尊いことだと思う。愛する人と二人で、子供の名前を考える。なんて幸せなんだろう。あるいは、子供じゃなくてもいい。キャラクターの名前を一緒に考えることも、同じくらい尊いことだ。お笑いコンビ・ジャルジャルのお二人は、二人きりでネタづくりをしているという。それは「子作り」みたいなものだから、その様子は人には見せられない、と。
仮に子供ができたとして、どんな名前にするかは何も考えていない。結婚する前から子供の名前を考えるような変な人ではない。元恋人を彷彿とさせる名前を入れない、くらいはルールにしても良さそうだ。自分の作品のキャラクターの名前をそのまま使うのはどうか? 賛否が分かれるところだろう。といった具合に、ルールを考えるだけでも楽しい。あとは、名付けられた本人がどう思うかもあるけれど、これはあまり考えても仕方がない。名前を決めることはできても、その名前が辿る人生までは決めることができない。
そんなわけで、もしも結婚するとしたら、名前のセンスが多少は響き合う人が良いのかもしれない。とはいえ、物語を書く人でもない限り、名前のセンスなんて普通はわからない。あるいは、その人の名前自身が語るものもゼロではない。つまり、少なくとも、名前を知らない人を好きになることはない、ということ。名前は、その人を愛するためのポインタのようなものである。