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結婚できない理由

池田大輝
·
公開:2026/8/13

昔から、何をやるにも時間がかかった。小学生の頃、授業で感想文を書けと言われると、書き終えるのはだいたい最後のほうだった。なんでみんなあんなに速いのかわからなかった。じっくり考えて書けば、それなりの時間はかかるはず。先生にも、そんなに考えなくていいよ、と何度も言われた記憶がある。

適当にさっと済ませることができない。このエッセィはせめてもの訓練みたいなもので、あまり深く考えず、毎日30分くらいでサクッと書くことを目指している。が、それでも、考えすぎてしまうことはある。もっと肩の力を抜いて、適当に生きてみても良いのだろうな、と思いつつ、そんなことができた試しがない。人と仲良くなるのにも時間がかかる。今から出会う人と友達になるには、ざっと10年はかかるだろう。今の友達と友達になるのにも、それくらいはかかっている。

そう思うと、結婚は、友達になるよりもハードルが低い。出会ってから結婚するまで10年かける必要はない。10年もかけていられない、と言ったほうが正しい。考えている暇などないのだ。直感を信じて、思い切るしかない。それ以外に結婚する方法はない。

合理的に考えるほど、結婚は遠ざかっていく。結婚は合理的ではないからだ。でも、あえて言わせてもらうけれど、私は考えるのが好きなだけであって、合理的な人間では全くない。考えて考えて考えた挙句、よくわからないことをするのが好きなのだ。つまり、結婚することがあるとすれば、よくわからない人と結婚するということ。変な人と呼ばれて喜ぶような変な人と結婚するということ。謎めいた人と結婚するということ。そのような人は、知る限り少ない。と書くと、結婚できないのを相手のせいにしているように聞こえるかもしれない。半分くらいはその通り。普通の人には興味がない。普通の人生を送りたい人と付き合ってみたら、お互い不幸になったことがある。もう普通の人生を歩むことはできない。後戻りはできないのだ。

さて、ここまで書いてみて、どうオチをつけようかしばらく考え込んでいる。また悪い癖が出た。結婚の話は読まれやすいから、面白いオチで満足させたいというサービス精神を我慢することができない。やれやれ。どうしようもない奴である。考えるなと書いたそばからこれだ。そして、また考え込んでいる。結婚生活と同じように、このエッセィにオチはない。結婚はゴールではなくスタートだ。ゴールなんかどうだっていい。なるようになればそれで良い。先々のことを考えても仕方がない。創作も同じ。オチもプロットもない状態から、何もないところから物語を生み出す。つまり、足りないのはこれだ。結婚するために、クリエイターとして一人前になる必要はない。オチを決める必要もない。それは足枷になるだけだ。物語を書き始めるのと同じように、最初の一歩を踏み出せば良い。それができない臆病さを、延々と言い訳したのがこのエッセィである。さて、そろそろ日付が変わる。オチのなさを受け入れる勇気を持とう。無意味な物語を歓迎しよう。結婚に意味も合理もない。書くか書かないか、それだけの話である。

@radish2951
恋愛ゲームをつくっています。毎日21時頃にエッセィを更新しています。恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』をよろしくお願いします。 daiki.pink