たしか、あれは2022年の11月。コミティアで、高校時代の友人が差し入れと称して森博嗣のデビュー小説『すべてがFになる』をプレゼントしてくれた。次回作(さくらいろテトラプリズム)に理系要素を盛り込むとかそんな話をしていたから、理系作家の参考として勧めてくれたと記憶している。
それから2年半が経ち、今ではすっかり森博嗣のファンである。『すべてがFになる』はS&Mシリーズの1作目で、8作目『今はもうない』の途中まで読んだ。忙しくてなかなか読み進められていない。と言いつつ、森博嗣のエッセィは結構読んだ。
森博嗣のエッセィは、どれを読んでも大体同じことが書かれてある。興味のある人は、どれか一冊適当に読んでみるといいと思う。最近のおすすめは『静かに生きて考える』とか。森博嗣という人がなんとなくわかるはずだ。
こうしてエッセィを書くようになったのも、森博嗣の影響である。森博嗣に出会わなければ、書くことはなかっただろう。それほど影響を受けた理由としては、やはり理系作家という共通点が大きい。私も国語が苦手な、バチバチの理系だ。と言っても、森先生は博士号を取得して研究者をやっていたから、理系レベルでは足元にも及ばないのだけれど。
この人に出会わなければ、創作を諦めていたかもしれない、と思う人がいる。森博嗣はそのひとりだ。そのような出会いは多くはない。たぶん、片手で数えられるくらいしかない。多く見積もっても、両手に収まる。そのひとりを布教してくれた友人は、あまりにもファインプレーである。ありがとう。おかげで、こうしてエッセィを書いています。それ以外の読者の方へ。あなたのファインプレーもお待ちしています。