昨年末にリリースした恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』の劇中に登場するライブシーンを、せっせとつくっている。本当はリリースに間に合わせたかったのだけれど、間に合わず、泣く泣く仮ムービーでお茶を濁す形でリリースした。本当に悔しかった。それから、ライブシーンを含め、色々と制作を進め、ようやく、最低限まとまった形でお届けできそうなところまで来た。たくさんの人に迷惑をかけた。申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
それでも、出来上がったライブシーンを見ると、本当にうれしくなる。自分が生み出したキャラクターが、ステージの上で生き生きと歌い、踊っているのだ。もちろん、私一人の功績ではない。曲を書いてくださった籾山さん、振付をつくってくださった水原さん、そして、キャラクターたちの魂を歌ってくださったキャストの方々。本当に、これ以上うれしいことはないと思う。本当に、ありがとうございました。
ボロボロで、反省点だらけのゲーム制作だったけれど、それでも、というか、だからこそ、今まで知らなかった世界を知ることができた。それは、たとえば、舞台。演劇的な意味ももちろんあるけれど、どちらかといえば、もっと抽象的なもの。このゲームだって立派な舞台だ。舞台の上で、キャラクターたちが生きている。それを見届けることの喜びを知った。いや、見届けるだけではだめだ。というよりも、見届けることは簡単じゃない。ただぼーっと見ていてはだめだ。舞台を、世界を、つくらねばならない。
それができるのは私しかいない。自意識過剰に聞こえるかもしれないけれど、本当だ。あなたもつくってみればわかる。ほかの人がやっても、絶対に同じものにはならない。クオリティとか予算の話じゃない。どんなに困難に思えても、やらなければならないのだ。それは重くのしかかる責任であり、同時に、誰かが授けた祝福なのだ。生きる意味を見つけた、なんて書くと安っぽいけれど、でも、そんな感じ。最高の舞台を見届けるまで死ねない。最高の舞台が私たちを待っている。最高の舞台から見た景色はどれほど美しいのだろう。幕が下りたら、教えて。