他人のことは気にするな。とか言っておきながら、みんながどれくらい頑張っているのかを気にせずにはいられない。今日は頑張ったなって思っても、でも、憧れのあの人に比べたらまだまだだと落ち込んでしまう。もっと頑張りたいと思うけれど、身体が言うことを聞かない。自分には自分のペースがあると言い聞かせて、すやすやと眠って、翌朝起きると、その人はもっと先に進んでいる。そうやって、どんどん差は開いていく。そんなことを気にしても仕方がない。わかってる。自分のやることをやるだけだ。その人になれるわけがない。そんなことは言われなくてもわかっている。でも、それでも、どうしても気になってしまう。もうおしまいだ。どれだけ足掻いても届かない場所にその人はいる。足掻こうが足掻くまいが、ほとんど何も変わらない。あまりにも惨めだ。生まれて、生きて、足掻いて、死ぬ。これで物語はおしまい。
いま、具体的な「その人」の顔を浮かべながらこれを書いた。この物語は実はハッピーエンドである。愛するただその人のためだけに、生まれて、生きて、足掻いて、死ねたのだから。