一度くらいは関西に住みたい

池田大輝
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公開:2026/1/25

関西には何度も来たことがある。一番多いのが大阪で、次いで京都、兵庫か。今も大阪のホテルでこれを書いている。秋田出身の私から見れば、関西の明るさというか、ポジティブさというか、そういったものが魅力的に思える。秋田県民は、基本的に卑屈だ。寒いし、雪は降るし、かといって北海道のように観光資源になるわけでもなく、人口は減り続け、ここに熊の群雄割拠ときて、もはや秋田は滅亡寸前である。

秋田には、希望というものが基本的にない。生まれたときから死の気配に包まれながら、秋田県民は育つ。自殺率は全国一位。日照時間も極端に少ない。とにかく、そういう場所なのだ。

だから、関西の人は、まるで違う生き物のように見える。明るいというか、人生というものに対する考え方が、根本から違うような気がする。どちらが良いという話ではなく、また、人それぞれ考え方は違うだろう。けれど、やはり、街そのものに漂う気配が違う。常に何かが生まれる予感があり、流動性があり、熱がある。ただしずかに死を待つ秋田とは対照的だ。

もしも関西に生まれていたら、かなり違う人生を送っていたと思う。私の根っこの性格は、どちらかといえば秋田県民寄りである。ネガティブで、悲観的で、希望というものを持とうとしない。自分をアピールするのが苦手で、そのせいで損をしたことは数えきれないほどある。最近は少しマシになったけれど、それでも、こんなエッセィをわざわざ書き続ける程度には、捻くれた人間である。なんでやねん、と誰かが隣でツッコんでくれるくらいが、ちょうど良いのだと思う。

@radish2951
恋愛ゲーム作家。毎日21時頃にエッセィを更新しています。恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』をよろしくお願いします。 daiki.pink