このエッセィを書いている「しずかなインターネット」というサービスは、その名の通り、きわめてしずかな場所である。広告もなければ、おすすめも表示されない。作者からは、誰が読んでいるのかもわからない。通常、このようなブログ的なサービスでは、アクセス解析によって読者の性別や年齢、興味の対象などがわかったりする。ここには、そういったものが一切ない。本当に、しずかで、透明な空間である。
一応、記事を更新するたびにXにポストしているから、そこからアクセスされる数はざっくり把握できる。毎回、そこそこの人数が読んでくださっているらしい。ありがたいことである。ただ、その内訳はやはり全くわからない。いいねもされないから、予想すらつかない。普段のポストにつくいいねの数よりも遥かに多くアクセスされているから、リアクションせずにこっそり読んでくださっている方が多数派であることだけはかろうじてわかる。いいねしろと言っているわけではありません。
そんなわけだから、これを誰が読んでいるのか、本当にわからない。わからないまま、書いている。今まではあまり意識していなかったけれど、考えてみると、なかなかヒヤヒヤする。そもそも、このエッセィは好きで書いているものではなく、作品の宣伝や私自身のブランディングの一環として書いているのであって、どちらかといえば恥ずかしい行為だと思っている。それでも、長い目で見たときのメリットが大きいと思って、書き続けている。だから、極端にいえば、私は目隠しをされたまま痴態を晒しているようなものであり、あなたはそれを好き好んで観賞しているのだ。
さあ、いよいよ恥ずかしくなってきた。痴態を晒すことよりも、それを誰が見ているかわからないことのほうが遥かに恥ずかしい。一体誰が見ているのだろう? ちょっと、想像してみる。うーん……うん……? あっ……いや、まさか……えっ? いや、そんな……えっと……そんなに……じろじろ……あっ、すみません……いや、えっと……ほ、ほんとに……? あっ……え……いや……さすがに気まずい……いや、気まずいのはお互い様か……あは……あはは……ちょっと……ドキドキ……します……はい……あっ……そんな……だめ……です……んっ……あっ……えっ……い、いや……はっ……え……? い、いやっ……だ、だめ……です……いや……だめ……じゃない……見てて……ほしい……です……んっ……そんな顔……しない……で……はあ……はあ……ねえ……ぜったい……バカに……してる……でしょ……ほんっと……最低……こんなの……見て……喜ぶ……なんて……えっ……? わたし……? よろこんでる……わけ……ない……でしょ! もう……んぁっ……! ちょっと……! なに……すんのよ……! んんっ……あっ……だ……だめ……これ以上……見ない……で……恥ずかしくて……死にそう……だけど……見てて……くれて……うれしい……うそじゃ……ないよ……だから……ずっと……見てて……ください……。