私と、彼女と、彼女の友達。3人でドライブをしていた。誰が運転していたのかは覚えていない。彼女の友達とは面識がない。車の中で、彼女たちは妙にそわそわしていた。ちょっとした茂みのような場所に車を停めた。車から降りて、彼女たちは少し遠くへ行った。そして、戻ってきて、彼女は私に告白した。私は驚いて、うれしくて、「え、めっちゃ好きです」と答えた。本当に、めっちゃ好きだった。まさかこんなことが起こると思わなかった。けれど、ひどく浮かれるような気分というよりも、この先の、将来のことに思考が切り替わった。彼女となら、ずっと一緒にいられると思った。彼女について、まだ多くを知らない。彼女の友達についてはほとんど知らない。それでも、3人でいる時間は不思議と穏やかで、幸せだった。彼女は少しぎこちなく笑い、彼女の友達は満面の笑顔で笑った。ただ純粋な幸せがそこにはあった。運命だとか未来とか、言葉がどれだけ手を伸ばしても届かない場所で私たちは恋をした。その歌詞の意味がわかった、気がした。

恋愛ゲーム作家。毎日21時頃にエッセィを更新しています。恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』をよろしくお願いします。
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