誰でも絶対にイラストが上手くなる方法

池田大輝
·
公開:2025/2/8

そんなものはない。どう頑張ったところで描けない人は描けないし、描けないものは描けない。この時点で「私には無理だ」と思った人は無理に絵を描く必要はないと思う。あなたの強みを生かせる場所がきっとある。

冗談はさておき(冗談ではないが)、それなりに有効な方法はある。それは「上手い人の絵を真似する」ことだ。いろんな人がさんざん言っているし、イラストレーターのさいとうなおき先生も似たような動画を上げている。動画がお好きな人はそちらを観ることをおすすめする。

まず、好きなイラストレーター、あるいは好きじゃなくてもいいから、なんとなくいいなと思うイラストレーターを見つける。その人の画集なりSNSなりを探して、イラストを3枚程度選ぶ。その3枚はできれば似通っていないほうが良い。あとは、その絵を模写する。どれだけ時間がかかってもいい。上からなぞるのではなく、ゼロから、真っ白なキャンバスに描くことが大事。お手本と自分の絵を行ったり来たりしながら、とにかく描く。3枚を、納得がいくまで模写する。1枚に1か月かかっても構わない。とにかく、最後まで、描ききる。

この時点で、かなり画力が上がっているはず。試しに、自由に絵を描いてみよう。トレーニング前よりも上手く描けたなら、あとは描けば描くほど上達していく。模写はできるけれど自力ではまだ描けないのなら、もう何枚か模写してみよう。選んだイラストレーターの絵に飽きたら、ほかの人の絵に変えてもいい。模写をするうちに、なんとなくコツが掴めてくると思う。ちなみに、模写はできるけれど、自分では全く描けない、という人がいるかもしれない。そのような人はアニメーターに向いている。アニメーターは人手不足なので、適当なアニメ会社を受けてみるといいと思う。

要するに、上手い人の絵を真似すれば上手くなるという、ごくシンプルな話だ。もしそのイラストレーターが配信や添削をしているのなら、活用すると良いだろう。模写だけでは見えてこない、ちょっとしたテクニックが役に立つ場面は少なくない。

さて、これであなたもプロのイラストレーターの仲間入り……と言いたいところだけれど、残念ながらそうはいかない。絵が上手いことは、プロの必要条件でも十分条件でもない。上手くてもプロでない人、上手くないのにプロの人がいる。絵を上手く描くことは、半分くらいは自己満足だ。自己満足が悪いのではない。プロとして描くことと、上手く描くことが必ずしも一致しないというだけのこと。ある程度描いてみないことには、なぜ自分は絵を描きたいのかということに気付けない。それに気付くことができる(かもしれない)という副作用が、この上達法にはある。

@radish2951
ゲーム作家。恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』をよろしくお願いします。 daiki.pink