家族を養うということ

池田大輝
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公開:2026/5/3

自分一人の生活を支えるだけでも大変なのに、家族を養うだなんて想像できない。収入だけを見れば、仮に結婚相手が無収入だったとしても二人で生活することはできる(ただしゲーム制作に相当額を注ぎ込んでいるのでそのあたりは要相談)。でも、収入があれば万事解決ではない。生きていくのは簡単じゃない。

きっと、難しく考えすぎている。世の中の人たちはそこまでややこしいことを考えず、勢いで結婚したり子供を産んだりしている。そうやって家族ができたから、家族を養うために努力するのだろう。

仮に結婚したとして、ちゃんと養えるのかという不安はある。でも、それ以上に、想像できないのだ。誰かと一緒に暮らしていくということが想像できない。私はたぶん、家族というものを信頼していない。今の家族、つまり親やきょうだいは、気づいたときから家族だったから、そんなことを考えもしなかった。けれど、誰かと家族になることは、能動的な選択である。

家族になるということが、どういうことかわからない。なんだか、恐ろしいとさえ感じる。個人の自由を差し出す代わりに、共同体としての庇護を得る。きっとそれは家族のひとつの側面でしかなくて、家族とはもっと豊かなものなのだと思う。その豊かさが私にはわからない。誰かと一緒にいることは、安心よりも恐怖が勝る。その場所にいてはいけないような、言いようのない不安に襲われるのだ。

結婚したくないわけではない。愛する人と結ばれて、幸せに暮らしたいと思っている。けれど、愛する人と暮らすことと、家族になることが私の中で結びつかない。家族という得体の知れない総体が、やはり理解できそうにない。あるいは、運命の人に出会ってしまえば、そんなこともどうでも良くなるのだろうか。家族がなんなのかよくわからないまま、自然に家族になれるのだろうか。いつかそんな日が本当に来るのだろうか。

@radish2951
恋愛ゲームをつくっています。毎日21時頃にエッセィを更新しています。恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』をよろしくお願いします。 daiki.pink