友達以上、恋人未満?

池田大輝
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公開:2026/3/8

残念ながら、私には全くピンとこない。友達から恋人になったことは一度もない。そもそも、友達というのは、かなり上位の関係性だと思っている。友達になることは簡単じゃない。長い時間をかけて、少しずつ友達になっていく。その特別さは、あえて比べるなら、恋人よりも上だと思う。という価値観のせいか、過去に付き合っていた彼女は、私が(彼女を差し置いて)友達に会うことに難色を示していた。気持ちはわからなくないけれど、友達とは年に一度くらいしか会えないのだ。あなたとは毎週会っているんだよ、とはさすがに言わなかったけれど。

恋人は、友達とは違う特別さがある。友達は少しずつ友達になっていくのに対して、恋人は最初から恋人だ。運命の人は、出会った瞬間に運命の人だとわかる。初めて出会ったときから、あ、この人といずれ結ばれるんだろうな、と直感する。

とか言いつつ、今までに付き合った人には、そのような運命を感じたことはなかった。酷い言い方をすれば、流されるように付き合っていた。申し訳ない気持ちはある。かなり反省したこともあり、4年ほど前に婚約者と別れて以来、恋愛というものをしていない。マッチングアプリの類も一切やっていない。それっぽい雰囲気になることはゼロじゃなかったけれど、中途半端に手を出すことはしなかった。そんな気にもならなかった。

高校生くらいの頃から、常に隣には誰かがいた。一方で、夢への距離はなかなか縮まらなかった。きっと、彼女たちは彼女たちなりに、私の夢を応援してくれていたんだと思う。けれど、夢は叶うどころか、遠ざかっていく気さえした。

最後の恋人と別れてから、人生は目まぐるしく変化した。運命としか言いようのない出来事が、出会いが、いくつもあった。そのような人生を経て、私は運命というものを信じるようになった。運命の人は存在する。まだ出会っていないだけか、あるいは——。

恋人が運命の人だとすれば、友達は宿命の人とでも言おうか。腐れ縁というやつである。聞くところによると、腐れ縁的な関係から恋人になるケースもあるらしい。幼馴染同士の結婚なんかはそれに当たるだろう。運命の人であり、宿命の人。そりゃ、幼馴染には勝てないわけだ。

@radish2951
恋愛ゲーム作家。毎日21時頃にエッセィを更新しています。恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』をよろしくお願いします。 daiki.pink