これまでの人生でかつてなく地味、良く言えば堅実な日々を過ごしている。1年前からは考えられない生活だ。平日の日中は職場で研究やプログラミングをして、それ以外の時間は創作活動に充てている。出かけたり人に会うことはほとんどない。一人暮らしなので、家族の話題もない。こんな状態でよくエッセィのネタが切れないなと我ながら思う。
堅実な人生を送るようになったのには理由がある。簡単に言えば、死にかけたからだ。創作で無茶をしすぎたせいで、命の危険を感じるほどに追い込まれた。ちょうど1年くらい前までそんな感じだった。それに懲りて、しばらくは地に足つけた生活を送ろうと心がけている。幸い、今はそれなりに恵まれた環境にあり、この調子が3年ほど続けば、なんらかの成果は出るだろう、と楽観している。
つまらない人間になったなあ、と思わないこともない。思い切って無茶をして、失敗したら誰かを頼って、そうやってがむしゃらに生きるのもかっこいいと思う。でも、よくよく見てみると、そういう人には大抵の場合セーフティネットがすでにある。家族だったりお金だったり、あるいは信頼できる誰かだったり。
私は、死ぬわけにはいかないのだ。死にたくないのとは違う。痛いのは嫌だけれど、死ぬことは別に怖くない。なぜ死ぬわけにはいかないのかは、日々のエッセィに書いてある。要するに、生きる理由を見つけたのだ。この人のために生きたいと思える人に出会った。だから、少しくらい地味でも、生きることを優先している。
地味なのも悪いことばかりではない。地味なのは、変化が少ないということであり、つまり小さい成果がコンスタントに積み上がっているということである。長い目で見れば良い方向に向かっている。ぷよぷよの連鎖を積み上げているようなイメージだ。楽しみは、この先に待っている。