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好きなものをつくっているわけではない

池田大輝
·
公開:2026/9/8

創作活動をしていると、自分の好きなものを好きなようにつくっている、と思われがちだけれど、それは違う。好きなジャンルをあえて挙げるならば、『ワイルド・スピード』や『インセプション』などの、超大作SFないしはアクション映画が好みである。こういった大掛かりなものを個人レベルでさくっとつくることは難しい。最近は、動画生成AIで、ハリウッド映画さながらの動画をつくることもできるらしい。それでも、わざわざAIでカーチェイスの動画をつくりたいとは微塵も思わない。ジャンルというものに興味がない。さっき「好きなジャンル」と書いたけれど、あれは便宜上の表現であって、より精確には「好きな作品の特徴の中央値」くらいの意味しかない。つまり、私には「好きなジャンル」がなくて、「好きな作品」と「好きな作家」しか存在しない。したがって、「好きなものをつくる」という行為自体が意味をなさない。それはただの模倣であり、もちろん、そんなことには興味がない。私の創作のモチベーションは、半分が好奇心で、もう半分が義務感である。後者のほうが大きいかもしれない。つくらなければならないからつくっている、ということ。誰に強制されたわけでもなく、ただやらなければならないから、やっている。あるいは、好奇心も義務感とほとんど同じかもしれない。やらずにはいられない、という状態を、異なる言葉で表現しているだけかもしれない。いずれにせよ、そこに個人的な好みが介在する余地はない。私は、恋愛ゲームというジャンルにそこまでの思い入れはない。多少の影響を受けたのは確かだけれど、とはいえ、ジャンルへの愛、みたいなものはない。それでも、なぜ、カーアクション映画を撮らず、恋愛ゲームをつくっているのかといえば、つくらなければならないからである。少なくとも、今は。

@radish2951
恋愛ゲームをつくっています。毎日21時頃にエッセィを更新しています。恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』をよろしくお願いします。 daiki.pink