死にたいと思っているわけじゃない。けれど、人はいつか必ず死ぬ。死はちょうど一度だけ、皆に平等に訪れる。死ぬとしたらどんなふうに死ぬのか、全然想像できない。痛いのは嫌だ。怖いのも嫌。できるだけ、平穏に、自然に死にたい。とはいえ、あまりにもありきたりな死は、それはそれでつまらない気もする。せっかく一度きりの死だ。どうせ死ぬなら他の人にはできないような死に方で死にたい。誰も思いつかないような、誰も真似できないような、そんな死に方。どんなホラー映画にも出てこない死に方。ただグロいわけでも、ただ惨いだけでもない。序盤で殺される奴みたいなのは勘弁。生まれ方は決められないけれど、死に方はある程度演出できる。演出家の腕の見せ所である。さあ、どうやって死のうか。死ぬまでまだまだ時間はある。ゆっくり考えるとしよう。

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