そんなことを言われても、浮かれるような話は何もない。そもそも人に会うことがない。一応フルタイムで働いているから、厳密には職場の人とは顔を合わせているけれど、基本的に会話をしない。そのような職場は結構多いと思う。職場以外ではたまに会うのは、ほとんどが友人である。新たに恋が芽生えるということが、構造上不可能になっている。したがって、ここに書ける恋バナはない。以上。
以下は余談。ネットで知り合った人と意気投合した経験が今までの人生でたぶん一度もない。なんというか、インターネットが下手なのだ。誰かと仲良くなるためには、直接会わなければ気が済まない。マッチングアプリの類は、会う前にフィルタで弾かれる。だからやろうと思わないし、一度もやったことがない。そう思うと、強制的にいろんな人と会わされる学校というシステムは、私にはなかなか合っていた。出会いが欲しいとか、人肌恋しいとか、そういうことではない。そんな理由なら、とっくにマッチングアプリをやっている。じゃあどういうことなんだ、と訊かれると、なかなか答えるのが難しい。語り得ぬものについては沈黙しなければならないが、毎日エッセィを書くと決めた以上、語り得ぬものについてもちょっと頑張って書いてみよう、と思って書いた結果、このように歯切れの悪いエッセィになってしまった。恋について明晰に語ることは不可能で、つまり恋については沈黙しなければならない、という理屈は明らかにおかしい。語り得ぬものについてつい語りたくなってしまう精神状態を恋と定義するのはどうだろうか。