これを書くのが恥ずかしくなってきた

池田大輝
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公開:2025/12/14

私がエッセィを毎日書く理由は、もう何度も書いたので書かない。好きで書いているわけではない、ということだけは強調しておこう。で、ふと思うと、エッセィを書くというのは、なかなか恥ずかしい行為だなと我ながら思う。

考えていることを表に出すのは、リスクを伴う行為である。変なことを言って嫌われるかもしれないし、余計な敵をつくるかもしれない。口は禍のもとと言うだろう。まあ、これは口ではなく指とMacBook Airだけど。自己顕示欲が強いと勘違いされるリスクもある。とにかく、思想や意見を表出すると、失うものが結構多い。だから、基本的にはみんな、静かにしている。

プライドや自尊心も、書くことによって失われる。恥ずかしいと思えるということは、それくらいのプライドはかろうじて残っているのかもしれない。まあ、でも、じきに消えるだろう。書き始めた頃に比べれば、プライドはほとんど消えた。失うものは、もう、あまりない。

とはいえ、恥ずかしさがゼロではないということは、失って困るものがゼロではないということだ。それはいったい、なんだろう。正直なところ、よくわからない。このエッセィは、たとえば、好きな人に読まれても良い心づもりで書いている。それくらいのことは覚悟している。目の前で朗読されるのは、さすがに勘弁してほしいけれど。まあ、要するに、私はまだ、猫を被っているということだ。ここに書いていることは、私のすべてではない。それどころか、1%にも満たないだろう。内に秘めた恥ずかしさは、まだまだ、こんなものではない。いったいどのような羞恥と屈辱がこの先に待ち受けているのか。錆びついたドアは、ひとりで勝手に開くわけではない。開けるのは、あなたです。

@radish2951
恋愛ゲーム作家。毎日21時頃にエッセィを更新しています。恋愛ゲーム『さくらいろテトラプリズム』をよろしくお願いします。 daiki.pink